「Silly Love?」 |
1・Agape? クラクションが鳴った。 翔だ。 携帯を引っつかむ。メール一件。誰だろう、と確かめるのももどかしく、ダッシュ! ふと頭の中をよぎったのは、今朝、テレビでやっていた星座占い。 翔の恋愛運は最高。 私の恋愛運は最低。 なんでだろう、と思う。 翔と私は恋人同士だ。 と言うことは翔の恋愛運が良ければ、私の恋愛運だって良いはずじゃないだろうか。でも悲しいかな、毎朝チェックしているこの占いで翔と私の恋愛運がシンクロしていることはない。どっちかが良ければどっちかが悪い。 「当たるも八卦、当たらぬも八卦、占いなんていいことだけ信じてりゃいいんだよ」 と友人の佐藤彩乃は言っていた。 うまくいっているときなら、私だって大いに同調するところだけれど、人が占いを気にするときは、たいていうまくいってないとき、自分を信じられなくなったとき、だ。 認めよう。私と翔はいま、うまくいっていない。 ――でも・・・。 うまくいかないなら、うまくいかせればいい。大切なのは、意志だ。 道路は、渋滞。 車中は、沈黙。 運転席の翔は苛ついて、煙草に火をつける。私は軽くむせて、咳きこんだ。 最初の頃は煙草を吸わない私に気を使って、カフェやファミレスでも禁煙席を選んでくれていたのに、今ではさっさと喫煙席に座る。車の中でもこんな調子。俺の車の中なんだから、俺の勝手だろ、ってこと? 私は何も言えないでいる。 「つくす女」だから。 ――はあ〜。 心中、溜息。 大切なのは意志だ。 だけど恋愛は片方の意志の力だけではどうにもならない。当たり前すぎる事実。ようやく気付いた。 間がもてずケータイをイジる。今朝の新着メールを確認する。 友人の御厨廣人からだった。 正直、この人、あまり得意ではない。 確かに色々相談に乗ってくれて「いい人」なんだけれど、でも、 ――別に私のために「いい人」やってるわけじゃないしなあ。 返信が物憂い。 ――じゃあ、アナタは誰のために「つくす女」をやってるの? もう一人の私の声がする。 ――わからない・・・。 「そろそろじゃないか?」 翔が長い長い沈黙を破った。 「修行」 「修行じゃなくて研修」 「同じようなモンだろ」 「そうかもね〜」 私が譲る。つまらないことで揉めたくない。 ――つまらないこと? ――ちょっと待って。 翔のペースにハマっている自分を制する。 私にとっては人生の一大事だ。なのに、何故、私の恋人はまるで冷淡なんだろう。もう少し心配してくれたっていいのではないだろうか。 「ボウズか〜」 「ボウズだよ〜」 と明るく笑うが、自分の恋人が頭を丸めるのに涼しい顔でからかう翔に、私は傷ついた。 私立バチカブリ大学の宗教学部の夏は暗い。 理由はもう言わずもがな、夏休みを利用した「研修」&「脱バリカン処女」・・・。 私の場合は確かに寺の子弟だけれど、友人の佐藤彩乃や国府田有加里のように嫌々ではなく、あくまで自分の意思で決めた。 お兄ちゃん、「歌手になる」って家出てっちゃったし・・・。後に残された四姉妹、誰かがやらなくてはならない。やる、と決心したのは私。誰の強制でもない。 ――でも・・・。 私はフロントガラスの向こう側を見詰めながら、甘い夢想を捨てられないでいる。 翔が「研修なんかに行くな」と言ってくれないだろうか、と。「寺のことは俺に任せとけ」って。 そして、 「研修」に行く前に、どうしても確かめておきたいことがある。 「翔」 「なんだ?」 「あのね・・・」 私はゆっくりと息を吐き、 「来栖さんのことなんだけど・・・」 四時間後、私は自分のマンションで、ぼんやりとノートパソコンに向かっていた。 やはり翔と来栖七海の噂は本当だった。 「翔君がね」 と噂を注進してくれた姫地恭子は言いにくそうに、 「なんか一方的に盛り上がってるみたいでサ・・・来栖の方はね、ああいう女だからさ、まあ、一応は思わせぶりな態度とってるけど、その気はないみたいだよ」 一時の気の迷いだよ、どんと構えときな、と慰め顔で私を気遣ってくれた。そんな恭子の友達の仮面の下の生臭い優越感を私は、ギコちない笑顔でスルーした。 散々「つくす女」をやってきた。 年中金欠の翔に食事をごちそうし、欲しい物をプレゼントした。翔が好きな黒人のブルースを無理して聴いたり、「ナマ」でやりたい、と要求されれば、そういうクスリものんだ。 その挙句がこの体たらく。 利用されるだけされて、捨てられた。 ――またこのパターンか・・・。 繰り返している。そろそろ、この悪循環を断ち切るべきだろう。でも今は仕切り直しの気合いを入れる気力さえない。 ――死にたい・・・。 死にたい、と思いつつ、部屋に帰るなり、パソコンをたちあげ、ネットに接続し、いつもと変わらない日課をやっている自分に呆れる。呆れながらも、ちょっと感心する。結構図太い女かも知れない。 お気に入りの中から、何気なく緒川生恵のブログを選び、ジャンプする。 ブログが更新されていた。ザッと目を通す。 ――緒川ちゃん・・・相変わらずだなあ・・・。 空回ってる。 自意識過剰だ。 自分のことを伝えたい、わかって欲しい、と渇望しているくせに、本音をさらすことを恐れている。窮した結果、ピエロを演じている。 緒川ちゃんのピエロぶりは痛々しく、本人が意図するところとは違う意味で、ひどく滑稽だ。 キーボードをカタカタ動かして、最新記事にコメントをつける。 つまんねーんだよ! 投稿。 別に緒川ちゃんに恨みはない。違う誰かになろうとして、必死であがいている緒川ちゃんに自分が重なっただけ。 「翔・・・なんで・・・」 楽しかった日々が脳裏にオーバーラップする。 輝いていたあの日々は輝いていた分だけ、今の私を悶え苦しめる?になる。 殺してやりたい! 湧き上がる憎悪をあわてて押さえつける。 翔を憎んでしまったら、これまで私のやってきたことを全部否定することになるから。 それでも憎悪と後悔は鎌首をもたげ、私を責め苛む。 この負の感情とダイレクトに向き合えたなら、私は楽になれるかも知れないのに・・・。 なんでだろう、と考えた。 翔につくすことに本当に喜びを感じていたのなら、例え裏切られても後悔も憎しみもないはずだ。 ――誰のために「つくす女」をやってきたの? またもう一人の私が問いかけてくる。 ――私のため・・・。 ようやく本音を吐露できた。 母親のように翔の世話を焼く自分に満たされていた私・・・。 二人分の食事代を払ってあげて、ちっぽけな優越感に浸っていた私・・・。 プレゼントで翔の気持ちを繋ぎとめようとしていた姑息な私・・・。 つくすことで見返りを求めていた私・・・。認めて欲しい、愛して欲しい、私だけを見て欲しい、と見返りを求めていた私・・・。 献身によって翔を束縛しようとしていた。翔を自分の思い通りにしようとしていた。 そんな私のエゴに翔はエゴで応えただけ。 そして今、翔に去られて途方に暮れている私がいる。 彼を甘えさせてあげていたつもりだったのに、本当に相手に依存していたのは私だった。ようやく気付いた。 気付いたら、ようやく涙があふれてきた。 「翔・・・」 キーボードの上に突っ伏す。激しく嗚咽した。 しかし悲しみの裏側で、どこかホッとしている私がいる。これからは、テレビの恋愛占いに気を揉んだりすることもなくなるのだ。そんなふうに考えてしまう私は筋金入りのエゴイストなのかも知れない。 エゴはエゴを呼ぶ。 だから、私の周りはエゴで満ちている。御厨廣人。姫地恭子。緒川生恵。 ――もうすぐ「研修」で良かった。 と初めてバチカブリ大の「研修」制度に感謝した。 「研修」に入れば、翔のことなんて考える暇もないくらい、めまぐるしい毎日が待っている。頭を空っぽにできる。 ずっと抱えてきた剃髪への抵抗も失せた。 むしろ、自分のくだらない自意識を髪もろとも削ぎ落としてしまいたい、という激しい衝動に駆られた。 自分に活を入れたい! 新しい自分になりたい! 再生のための自己破壊・・・。 下世話な言葉を使うなら、 頭丸めて出直したい というところだ。 2・当世落飾事情 「バリカンんんん〜?!」 私は思わず素っ頓狂な声をあげ、箸をとめて、父の顔を見た。 「研修」に備え、帰郷した実家での晩餐の席、父の口からポロリ出た散髪器具名に私は仰天した。 「剃髪ってバリカンでするの?!」 「ああ、そうだよ」 と父は娘の反応に怪訝そう。父にとっては「剃髪」も「バリカン」もセットなのだろう。 「剃刀・・・使うんじゃないの?」 「そりゃ仕上げは剃刀だが・・・」 剃刀だと時間もかかるし、素人には難しい、と父は説明し、 「何か不満でもあるのか?」 「別に・・・」 と答えたけれど、実は大いに不満だ。 失恋以来、頭を丸めるのは望むところだが、それに使用される道具がバリカンなどという無粋な家電製品では、私の自尊心が満たされない。 どうせ坊主頭になるのだから、剃刀だろうとバリカンだろうと構わないじゃないか、と父は考えているのだろう。が、それは私、西園麻理(ようやく名前が・・・)の女心をわかっていない。 バリカンではなく剃刀で剃髪 という私のコダワリは笑われるべきものだろうか? ――いやいや、そんなことはない。 例えば、もし平安時代に電気バリカンが発明されていたとしたら、あの世界的に有名な「源氏物語」の名作度は、ガクン、と下がっていたはずだ。 物語には世を儚んで出家する女性が数多く登場する。 読者は彼女たちが、剃刀でしずしずと黒髪を落とす場面を思い描く。しわぶきの声ひとつない静寂な空間、荘厳な雰囲気、剃り手の法師とヒロインの間にある密度の高い関係性、淡々と流れゆく時間、そこに読み手は「あはれ」という日本的な情緒を感じるのだ。 バリカンにはそんな文学性はない。 藤壺や浮舟が、貴公子たちに愛でられてきた丈長き黒髪を、ウィーン、ウィーンというノイズの中、野球小僧か芸人の罰ゲームのようにバリバリとそっけなく刈られては、「あはれ」などという美意識の取り付く島もない。 姫君としての尊厳を保たれつつ、尼になった王朝時代の女性たちと比べて、二十一世紀の尼は手間と暇を省かれ、文明の利器に女の命を委ねなくてはならない。味気なく世知辛いものだ。 その不条理さに ――なんでぇ〜! と心中嘆いたが、一番寝ると、 ――ま、いいか。 妙にサバサバと諦めた。こうした無意味な虚栄心こそ、まず粉々に打ち砕かれるべきだろう。 剃髪はその二日後だった。 娘の髪にバリカンを入れるのを躊躇う父や母に代わって、姉や二人の妹が「切らせて、切らせて!」と目の色を変え、臨時理髪師に立候補した。三人とも「女性の髪を剃る」という普通の人生では、まずあり得ないチャンスに小躍りせんばかりで、そのくせ、実際に縁側に腰を降ろし、ケープを巻かれ、テルテル坊主みたいにされているショートボブヘアーの私を前にすると、怖気づき、バリカンを押し付けあっていた。 これには私の方が閉口し、 「もォ! 誰でもいいから早くやってよ〜」 「本当にいいの?」 と妹その1(高校生)。 「いいよ」 と私。 「真ん中から一気にガア〜ッとやっちゃって」 ここまできたら、中途半端は嫌だ。女は度胸、豪快に刈ってもらいたい。 「OK」 中学高校と六年間ハンドボールをやっていた姉は、流石、こういうのは得意そうで、 「いくよ〜、いくよ〜」 と嬉し笑いを噛み殺しつつ、バリカンの先端を私の前髪の生え根に差し入れ、「オバケが出るぞ〜」と子供を脅すような悪戯っぽい表情で 「いくよ〜、いくよ〜」 「あっ、あっ、あっ」 と私は姉に呼応して狼狽してみせたが、ジェットコースターに乗っているときのような言いようのないエクスタシーを感じていた。 ジャッ と額に異物感をおぼえる。 ――入ったああ! 異物感はゆっくりと頭頂部へと移行していく。 「うわ〜」 と顔をしかめる私。しかめ面に反し、エクスタシーは最高潮に達していた。 バサリ、とブラウンのカタマリがケープを叩く。 削られている という実感を得、満足した。 バリカンがまた視界から消えた。ウィーン、ウィーンという無味乾燥な音だけが聞こえる。 クマのプーさんのエプロンをしている姉の楽しそうな顔。 好奇心と怖いもの見たさが入り混じった表情で私を見つめる妹たち。 さっきと同じ異物感。 ジャッと固いセラミック製のバリカンの刃と柔らかい髪が接触する音。 ジョリジョリジョリと髪が削がれるノイジーな音。 頭皮を滑るバイブレーション。 ・・・・・・ バイブレーションの後にはクッキリと涼気。 頭皮と外気が、ハジメマシテ、と交歓して、爽やかな涼気。 「麻理、いいカンジになってきたよ〜」 体育会系の姉の部活の後輩にするような愛情のこもったひやかしに、 「うるさいな〜」 とむくれたりして、でも嬉しい。でも照れ臭い。 妹たちもこんな面白い遊びを姉一人に独占させてはおかない 。 「次はアタシにやらせて」 「アタシ!」 とバリカンの奪い合いになる。 結果、妹その2(中三)が断髪権を獲得し、 「あ〜!」 と悲鳴をあげながら、サイドにバリカンを入れた。刈る側にもエクスタシーはあるようだ。 ジャリ・・・ジャリ・・・ と最初は臆病に、そして、妹の顔に自信を得た笑顔が浮かぶと同時に、 ジャリジャリジャリ バイブレーションも力強くなる。 頭がどんどん涼しくなっていく。夏はやっぱりボウズに限る。 姉妹たちは、キャッキャッとハシャいでいる。父も母も「おやおや」といった笑顔で娘たちのお遊戯を見守っている。 皆、笑っている。 兄が実家を飛び出してから、家族はすっかり落ち込んでいた。私が兄の代わりに寺を継ぐ、と宣言してからも、ドンヨリとした不安が家族全体を覆っていた。 私の剃髪を通して、家族はふたたび元の絆を取り戻している。 私の破壊と再生の儀式であると同時に、家族の復活の儀式。 「源氏物語」からは百万光年遠い出家シーンだけれど、私にはとても暖かくて、幸せな門出だ。 丸まった頭をなでる。サラリと芝生みたいな感触が掌をはじく。 「よくやった〜」 姉はやっぱり運動部の先輩的態度で姉妹共同制作の坊主頭をさすった。褒められた私は悪戯小僧のように歯を見せて笑い、首をすくめた。 ちなみに仕上げの剃刀は父が担当してくれた。 新しいヘアースタイルを鏡で確認したときは、 ――誰? と一瞬のけぞったけど、切れ長の目、丸い鼻、薄い唇、目立たない程度のニキビ、まぎれもなく自分の顔だった。 ――アリアリ。 強引に納得した。 「翔クン、驚くんじゃないの〜?」 姉にからかわれて、 「ああ!」 すっかり忘れていた。 正直ちょっと寂しい。頭を丸めても過去は消えない。 ――でも・・・ もう一度、鏡を見る。 鏡の中の小坊主が小さく微笑む。 ――それでも、また、恋をしよう。 3・小さな祈り 稲荷公園は夜桜見物の客で賑わっている。 今夜はバチカブリ大宗教学部「脱バリカン処女」組の花見。 ホラ、ミス準バチカブリのお通りよ、と恋人同伴で現れた恭子を、今日は女だらけの花見大会のはずだよ!と年中男日照りの彩乃が咎めている。 「いいじゃん。ホラ、麻理だって彼氏連れじゃん」 「ったく、どいつもこいつもよォ」 私は苦笑する。悪かったですね、彼氏連れで。 彼氏の御厨廣人はマイペースでウィスキーを飲んでいる。酔っているのか、 「桜の樹の下には死体が埋まっている」 などと意味不明なことを口走り、もし 「あ、ソレ、梶井基次郎だね」 と緒川ちゃんが拾ってくれなかったら、かなりの変人扱いを受けていたに違いない。私の友人たちに感謝するように。 廣人からあのメールが届いたのは、「研修」から間もなく経ってからだった。 廣人は「いい人」をやめて、彼の等身大の本音を私にぶつけてきた。不安も不満も弱さも感謝も喜びもどかしさも後悔も、ありのままに。 そのメールは私の心を少なからず揺さぶった。 ――まだ誰とも付き合うつもりはないけれど・・・。 でも、私は廣人の想いに想いで応えた。 そこから始まった。 流れ星。 金金金、男男男、と夜空に向かって手を合わせる彩乃の後姿を見ながら、 「流れ星が消える前に願い事を三回、なんて無理だよね〜」 と私は笑った。 「その願い事を考えた人、草葉の陰で笑ってんじゃないの。『無理無理』ってサ」 と国府田有加里も同意する。 「それでも――」 緒川ちゃんが肩をすくめながら言った。 「祈っちゃうんだよね〜」 ――人は弱いから・・・。 強くなるのは難しい。 それでも強くなりたいと思う。 うまくいくこともあるし、うまくいかないこともある。 エゴとエゴをぶつけあうこともあれば、想いと想いが通じ合うこともある。 そういうものだ、とプラスもマイナスも受け容れて、前に進んでいける強さが欲しい。 「麻理」 廣人が私の髪に手を触れる。「研修」から戻ってきた後、一生懸命伸ばした髪。もう肩先まである。 私は恍惚と目を閉じ、髪を想い人の指先に委ねる。 「サクラ」 と廣人が破顔して、私の髪にくっついていたサクラの花弁をとって、宙に放つ。ひらひらり。 「廣人」 「ん?」 「やっぱりG学院に入るの?」 「ああ」 「無理しなくてもいいんだよ? お坊さんの資格ならもっと簡単に取れるところ、いっぱいあるんだし」 そうだけど、と廣人は遠い目をして、でもその視線の行き先はちゃんと未来につながっていて、 「麻理の婿養子になるなら、やっぱな、麻理が檀家さんに胸張って紹介できるような坊さんになりたいよ、俺は」 見栄っ張り、と小さく呟く。そんな無理しなくたって、貴方は私の一番大切な人なんだよ。 ――この人のために強くなりたい。 と思う。 いつまでも廣人と一緒にいたいから、成長していく廣人と同じ歩幅で歩いていきたいから、だから私は強くなりたい。 エゴも利他も依存も自助も全て包み込んだ、小さな祈り・・・。 この祈りを胸に抱いて、私は歩いていく。家族や仲間やかつての恋人たちに感謝しつつ。 ――とりあえず・・・今やるべきことは・・・ パニック状態に陥っている宴に意識を戻す。 ――彩乃のゲロを片付けること、かな(汗) 春花咲き 命萌える頃 どんな涙もほら 風に流されてく La La La 素晴らしきLove&Life La La La 愛すべきLove&Life (了) あとがき コノヤロウ、最後、歌で誤魔化しやがったな!・・・という声が聞こえてきそうな今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。迫水です。 私立バチカブリ大シリーズ第5弾にして、一応最終回です。 このストーリーはもうシリーズスタート当初から温めてきたんですけど、書き出しだけで、ずっと放置されてました。一年以上・・・(仮題は「パンプキンスープ」)。 当初はベタな恋愛モノの予定だったはずが・・・ 理屈っぽくなってしまった・・・。恋も剃髪も・・・。 そう、思えば「なんか書けないぞ〜?」と肩に力が入り始めたのは、このシリーズが開始されてからのような・・・。 好きなミスチルの「DISCOVERY」ってアルバムに似てるかなあ。「フッキレたい!」「前進したいっ!」って思いつつ、な〜んか、迷ってるぞ?考えすぎてるぞ? 試行錯誤してるぞ?みたいな・・・。 でも桜の季節なので、どうしても書いときたかったんです。 花粉の季節、皆さん、くれぐれも予防してくださいね。 最後までお付き合いくださり、ありがとうございました〜♪ |