よしなしごと |
うめろうを選んだ理由 何故サイトで小説を発表しているのか、と訊かれれば「うめろうに誘われたから」と答える。 では、何故うめろうと組んだのか、と問われたら、あのコーヒーショップでのうめろうのさりげない言葉に行き着く。 うめろうはしつこかった。 「どうせ失うものはないんだし、やってみよう」 と何度も口説かれた。そのたびに「恥ずかしい」「ネットはよくわからない」「荒らしが怖い」と断り続けた。 それでもうめろうは粘着してくる。「三顧の礼」と言えば、まるで自分が諸葛孔明にでもなったようで気分がいいが、呼び出された挙句、居酒屋代は割り勘。この辺り、今にして思えばうめろうの情熱の限界を感じる。 何度目かの説得で「やろう」「やだ」の押し問答に疲れた私が、話題を変え、その流れで「運」の話になった。 「うめろうさんてサ」 と私はなにげなく訊いた。 「運、いい方?」 うめろうはちょっと考えて、 「まあ、いい方じゃないかな」 と云った。 この一言で、やってみようかな、と心が動いた。 うめろうが本当に運が良いかどうかは、別にどうでもよかった。 俺は運がいい、と思い込んでいる楽天家の彼なら、サイトが万が一の状態になった時も切り抜けられるかも知れない、そして、そんなポジティブ思考の彼ならば万事においてネガティブな自分のパートナーして最適ではないか、と思った。 ・・・とドラマティックに書いているが、迫水的にも相手のシツコサに辟易して、内心、説得されるタイミングをはかっていた部分はあったように思う。 ただ、もし、うめろうが「俺、ツイてないんだよな〜」という迫水のような男だったら、たぶん最終的にサイトの話は断っていたに違いない。断言できる。 組むなら、多少ズボラでも景気のいいヤツと組みたい。 まさか当のうめろうも、迫水がこんな他愛のない会話でオチたとは考えもしていないだろう。と言うか、そんな会話があったことすら憶えてないはずだ。 案ずるよりうむが易しで、はじめてみると楽しいことの方が多い。遊びに来てくれる方にも悪い人はいない、たぶん。「日陰者」だった小説たちも大勢の人たちに読まれて、幸福そうだ。 うめろうの功徳なのだろうか。 (2007年03月21日掲載) 新しい尼僧像 最近「○のゲキジョー」という番組で尼僧さんの特集が、よく放映されてたりしてます。 尼僧ブームを待望している迫水がそれを喜んでいるかといえば、 微妙・・・ です。 番組で取り上げられている尼僧さんは、皆、波乱にとんだ人生を送った末、信仰の道を選んだ年配の女性たち。たしかに立派だ。有り難味もある。 が、どうも有難すぎて、近寄りがたいものがある。「別世界の人」ってカンジ。 結局のところ、「Dの○キジョー」は「独身」「理由あり」「ありがたい説法をする」という従来の尼僧のイメージをなぞっているだけのような気がします。 一般人からすれば、 「やっぱり尼さんになるような人は我々とは違うんだな」 と尼僧という存在が遠いものに思えてしまう。 もっと別の切り口があってもいいのではないだろうか。 例えば、み○もんた(「Dの〜」の司会)つながりで「学○に行こう!」の企画で、高校を卒業したら得度する予定の女子高生に密着、とか観たいです。 森○剛(V6)「やっぱり頭剃ったりすんの?」 女の子「はい、剃りますよ」 森○「スゲー! 嫌じゃないの?」 女の子「チョー嫌ですよォ〜」 みたいなやりとりが全国に流れれば、尼僧という存在ももっと身近なものになるんじゃないでしょうか。大きなお世話ですが・・・。 それにしても、ちょっと伏字多すぎですね〜(^^; (2007年02月25日掲載) 迫水に絵心はあるのか? もしも絵が描けたならば、小説ではなく漫画を描いていたと思います。 だから漫画が描ける人、羨ましいです。尊敬します。 自作の小説に挿絵があったら、苦手な断髪描写のフォローもできて助かるんだけどな〜、といつも思います。 で、試しに「女弁慶ふたたび(以下略)」のイラストを描いてみたのですが、これじゃギャグだ・・・。ちっとも萌えない・・・。 じゃあ、ギャグならギャグで開き直って・・・と以下はあくまでもネタです。仏教関係者の方、怒らないでくださいね〜。 特集「寺を継ぎたがらない寺娘を尼僧の道にひきこむ1000の方法」 全国五百人の当山末寺のご住職さま、こんにちは(合掌) そう、仏教界は今まさに未曾有の後継者不足であります。 パソコンやオートバイを買い与え、習い事をさせ、大学まで出してやったのに、「自分の将来は自分できめたい」などときいたふうな口をぬかし、寺を飛び出す若者の急増は当山としましても由々しき事態です。特に、後継者候補が女の子の場合、「ボウズなんて絶対いやっ!」と住職世襲は絶望的です。 仏飯を食んでおきながら、僧職は御免などという「食い逃げの徒」はまさに仏法の敵! 堕地獄モノと断ぜざるを得ないでしょう。 かくの如き事態に臨んで、当山としても座して手をこまねいているわけにもいかず、宗門の碩学十名を招聘。「大切なのは真理ではなく血脈」「在家出身僧にでかい顔をさせてたまるか」を合言葉に本特集のタイトルと同名のマニュアルを製作いたしました。 以下、ご紹介するのはそのマニュアルの一部です。 これで貴僧のご息女も明日から新人尼僧! 是非、お試しあれ。 その1・ニセ情報でその気にさせろ! メディアに踊らされがちな現代女性にはコレです。 「読者経験談・得度した途端、片思いだった彼に告られちゃった!」「あのイケメン俳優も実は尼僧好き!」「仰天ダイエット・加行でこんなに痩せた!」「剃髪で身も心も若返ろう!」といった記事を捏造して、娘さんをその気にさせましょう! その2・誘導作戦 娘さんが秋葉系の場合は、人気声優やアニメのイベントのニセ貼り紙をはるなどの工夫をしてください。誰ですか、「吉田栄作サイン会」なんて時代錯誤な貼り紙してる人は? その3・女優魂に火をつけろ! 芸能界に野望をもつ、身の程知らずな娘さんにはこれです。 「テレビや新聞に出られる」とそそのかして、例のあの舞台の剃髪式にもぐりこみ、「あ、スイマセン、この娘も出演者なんですけど」とスタッフ面して、出演者の中に娘さんをねじこみましょう。 何も知らない娘さんが「え? え? 何のドラマですか? え? なんで床屋さんがスタンバってるんですか? ちょっと!」 とオロオロしている間に尼さんが誕生。 丸坊主にされ、途方に暮れている娘さんに袈裟を渡し、 「これがお前のステージ衣装だ!」 とビシッとキメましょう。 ・・・・・・くだらなくてスミマセン(― ―; わら半紙使うなよ、自分・・・。 (2007年02月07日掲載) 新春を迎えての漫言 小説を読んでくださった方から文中の誤りをご指摘いただいた。 「ブロガー・沙羅双樹」の「〜じゃるけん」という方言は九州弁ではなく、広島弁とのことで、いや、ホント、間抜けなミスをおかしてしまった・・・。(― ―; ご指摘ありがとうございます♪ 早速訂正させていただきます。 さて新年である。 皆様あけましておめでとうございます。 今年はどんな年になるのでしょうか。 と言いつつ、新年を迎えてもイマイチ立ち位置の微妙なこのサイト・・・。マメに更新していることぐらいしか取り柄が見つからない・・・。マメに更新しなければ、きっと、たちまち忘れ去られてしまうんだろうな〜。儚いなあ・・・と何故新年早々、こんなにネガティブになっているのだろう・・・。 願わくば、断髪フェチ界に爪跡を残し、五年後十年後、「そう言えば昔、迫水野亜ってヤツがいたな〜」と思い出していただけるよう頑張ろう。我ながらどうにも辛気臭くて嫌になる。 元旦にある方から嬉しいメールをいただいた。 迫水の小説は「落ち込んでいるときのビタミン剤」とのことで、身勝手な妄想を書き散らしている自分にとっては、「イヤイヤ、あなたのお言葉の方が私にとっての栄養剤ですヨ」とお礼を言いたい。 筋金入りのエゴイストなので、人生のうちで純粋に、他人の役に立ちたい、などと思ったことはない。 ただ自分の書いたもので元気になってくれる人がいるならば、素直に嬉しいし、「オ○ニーだから」と言い訳しつつも、公開するからには、やっぱり読んでくれる人には楽しんでほしい。そう思っています。 とりあえず、今年書いてみたいことを幾つか挙げてみます。実現する可能性はかなり薄いです。話半分で読んでください。 (1) 剃髪大河小説・・・百年規模に渡る大長編。登場人物が五十人以上。剃髪者十人以上。原稿用紙三十枚におよぶ剃髪描写。・・・みたいな壮大なやつ。戦争とかあったりして。 (2) 「フェルチェ」完結・・・管理人がうるさいので。でも望んでる人がいるんだろうか? (3) 大規模なヒロインクロスオーバーコメディ・・・現在チョコチョコ書いているお話。尼バリ小説のヒロインたちが一堂に会してドタバタコメディを繰り広げる。「夜会の果て」と同じ趣向だが、今回はもっと大規模。悪ノリしすぎじゃないか、と密かに心配している。 (4) 美少年坊主・・・女坊主と男坊主の中間。美少女のような綺麗な少年が「ボク、恥ずかしい」と恥じらいながら、ゴッツイおやじに丸刈りにされるストーリー。でもこれをやってしまうと二度と元の場所に帰ってこれないような気がする。 (5) 抜ける小説・・・これは難しい・・・。 細かいことを言えば、このところ自分の文章のスタイルが固まってきているので、そこに安住することなく、もっと色んな文体に挑戦していきたいです。 「尼さんとバリカン」というジャンルにもトコトンこだわって、極めていきたいです。このジャンル、底が浅いようでいて、結構奥が深いです。 今年は尼さんブーム到来の予感がします。 ブーム到来の暁には、もしかしたら日陰サイト懲役七〇〇年にカタギ衆の熱い視線が注がれるかも知れない。 そうなると、「女弁慶」映画化!という展開もありえるかも知れない。ないない(笑)ん〜、ありませんかね・・・。お金、いらないんで。無理だな〜。 でも、もし「鈴宮ハルカの断髪」をドラマ化するなら、主演は井上真央でお願いします。ヅラNGで。・・・って誰に言ってるんだろう? (2007年01月11日掲載) さようなら2006年 迫水(以下迫) どうもこんにちは、迫水です。 うめろう(以下う) こんにちは、うめろうです。 迫 いつも懲役七〇〇年に遊びに来てくださって本当にありがたく思ってます。え〜、今年最後のよしなしごとは、うめろうとの対談で締めくくりたいと思います。こういう点、ぬるい同人体質が抜け切らないようで、お目汚しかも知れませんが、お付き合いいただけたら幸いです。 う よろしく、迫水。 迫 いや〜、それにしてもスタート当初はまさかこのサイトが年を越すとは思ってもみなかったですね〜。 う 俺はいけると思ってたよ。初めっから「いける」って言ってたじゃん。 迫 そうっすか? でもイマイチ微妙なポジションじゃないですか、ウチのサイト? タレントでいうと小堺一機みたいな・・・。う〜ん、結構いいポジションなのかなあ。 う 俺としては、もう少しガツンといきたかったけど、小堺止まりか・・・。迫水は「いいポジションですよね〜」って、いつも言ってるけど、俺はタモリをあきらめていないよ。 迫 タモリっすか(笑)あきらめてください(笑) でも4万Hitですよ? 最初の二ヶ月なんて一日8Hitとかだったじゃないですか。しかも半分が我々・・・。色々試行錯誤しましたよね。一時期「普通の小説」にシフトしようとしたんだけど、「フェルチェ」がコケて、やっぱ尼バリ小説メインでいくことにして・・・。 う 試行錯誤はしたね。死ぬほどしたね。最初の頃の低迷ぶりには、「サイトの立ち上げ当初はこんなモンだ」と経験者ぶって、余裕コイてたけど、迫水が色々言うものだから、俺も考えちゃったね。 迫 思い切って髪切虫電脳支店様に相互リンクお願いしたんですよね。自分の小説が断髪小説と呼べるのか全く自信がなかったから、ドキドキしました。「ブーイングくらうかも・・・」って。カウンターが回り始めたときは感動したな〜。ほんとMrookieさん、ありがとうございました。 う ネットヒッキーの俺は昔からメールで挨拶してお願いするっていう相互リンクは苦手だったんだよ。だけど迫水の押しで髪切虫電脳支店さんと相互リンクできて良かったと思うよ。Mrookieさん、ありがとうございました。 迫 お願いのメールの文面は僕に押し付けたんだよね。管理人のくせに、ホント頼りにならない人だよ。 う そりゃそうだよ。苦手だって言ってんじゃん。それに迫水が俺のメールの書き方を信用してなかったんじゃん。まったく失礼な話だよ! 迫 そんなヒートアップしないでくださいよ。 う (笑) 迫 まあ、お互い頑固だからたまにモメるんですよね。ホラ、「更新履歴から小説に直接いけるようにして」って僕が何度言っても、全然やってくれなくて、あのときは、うめろうさんにキレかけてたんだよ。 う あの時はネットワークRPGの「ウルティマオンライン」にハマッてて、それどころじゃなかったね、ぶっちゃけ。だけど最後にはやったから、まあ、いいってことよ(笑) 迫 今後、サイトが危機に見舞われるとしたら、それはうめろうさんの気紛れでしょうね。 う ところで迫水のCLIPさん賛美はすごかったな。俺もCLIPさんの小説は素晴らしいと思うけどさ〜。よしなしごとでCLIPさんのこと、絶賛して、絶賛しすぎてCLIPさんに「気持ち悪い」って言われてたのはテラワロスw 迫 (笑)前に相談してた企画があったでしょ? 選択肢でストーリーが進行するやつ。「こりゃ画期的な作品だ」とプロット書きながら悦に入ってたら、あっさり先を越されてね〜、CLIPさんに。ホント、脱帽でした。 う 今までの小説の話でもしようか。俺が迫水の小説で一番最初に読んだのが「女弁慶」でその時、スゲーって思ったよ。シロウトでここまで書けるものかと。そのファーストインパクトの衝撃が未だに強烈で、迫水ので一番好きなのは「女弁慶」だね。 迫 ホントは一生誰の目にも触れさせまいと思ってたんですけどね、初期の作品は。うめろうさんに捕まったのは運が良かったのか悪かったのか・・・。っつうか、うめさん、オレの小説全然読んでないでしょ? 「『逢魔が時』って何時代の話?」って訊かれたときは、オイオイって思ったよ。文中に「鎌倉幕府」って単語が出てきてるでしょうが(笑) う ちゃんと読んでるって!(全部じゃないけど) 迫 うめろうさんがいっつも言う感想が「断髪シーンがなければ、もっと良かったのに・・・」。そんなこのサイトの根幹を揺るがすこと言われても(笑) う 「フェルチェ」はどうなの、「フェルチェ」? ファンタジー好きの俺としては、あれは好きなんだけどなあ。なんか途中でやめちゃってるし。 迫 う〜ん、どうなってんでしょう。要望があればね〜。ないでしょうが。 う 「フェルチェ」へのアクセスはほとんどないみたいだね(T T)このサイトに来てる90%以上がフェチの方みたいだから。非フェチの俺的には続きを読みたいんだけどな・・・。あれ、いいって。 迫 一応断髪小説サイトの管理人やってるのにフェチじゃないって、スゴイよね(^^;オレもよくカミングアウトしたよな〜。僕が一番思い出に残ってるのは「篠塚優子」と「夜会」かな〜。あれを書いてた時期、体の調子が悪くって、ヤバイ病気じゃないかってナーバスになって、「これがオレの遺作になるのか、それってどうなのヨ」って・・・。 う なんか迫水ってそういう妄想、たまにあるよね。「足が変な方向に曲がってるから病院行く」とか言ってたのにはワロタ。全然曲がってないし。 迫 ホントしょっちゅう、体がヤバイヤバイ言ってるよね。超心配性だから(笑)。 う 迫水の、細かいup指示には辟易させられるね。俺、典型的なO型のマイペースだから。しかもそれがリミット二時間だったり、三時間だったりするから厳しいんだよ。 迫 で、「OKわかった」とか請け負いながら、メ切り、全然守んないんですよね。あー、腹立つわ〜。最新作の「断髪ジュブナイル」も、「クリスマスストーリーだから22日までにupしてくださいよ」「22日がデッドラインだからね」って口を酸っぱくして言ってんのに、ノンキに「たそがれ清兵衛」観てて、結局23日になってんやんの。 う 「たそがれ清兵衛」は良かった(  ̄― ̄)。山田洋次の映画はつまらなさそうだから、今まで観たことなかったけど、あれは良かった。オススメです。 迫 ちっとも反省してないじゃないッスか! カンベンしてくださいよ〜(T T)こっちは一生懸命暇見つけて書いてるのに〜! う 俺だってゲームやるのとTV観るのとオ○ニーする時間のほとんどを割いて、更新作業にあててるのに〜。 迫 アンタ酔ってるねΣ(゚Д゚ ) だから酒飲みながら対談するのイヤだったんだよ〜(><)(うめろう→ワインがぶ飲み。迫水→下戸のため、アイスコーヒー)。もういいです。そろそろ締めに入りましょうか。 う よっしゃ。 迫 2006年は思わぬネットデビューで頭クラクラしました。全世界の人に自分の妄想晒して・・・まるで羞恥プレイかとMッ気が騒ぐときが、ままあります。2007年は・・・そうだな〜、う〜ん、基本、平穏無事に、かつ貪欲に・・・。コミケ進出とか面白そうかも。まあ、細々と地道にやっていこうかな、と思っております。地味なサイトですが、皆様今後とも宜しくお願いいたします。m( )m うめろうさんも今年の総括と来年の抱負をどうぞ。 う 言ってること矛盾してない? 「コミケ」と「細々」とじゃ・・・。まあいいや。このサイト、俺が今までやったサイトで一番充実してるよ。金銭的な見返りはないけど。やって良かったと思う。2007年こそは大儲けじゃああ! 迫 だから金にはならないんですってば。いい加減懲りない人だな〜。 (2006年12月28日掲載) 剃髪式 尼僧剃髪小説を書いているくせに、恥ずかしいのですが、この間、Yahooの辞書で仏教界にも「剃髪式」という儀式が本当にあることを知り、吃驚しました。 「剃髪式」なんて断髪フェチの妄想の産物だと思ってた・・・。 ていはつ‐しき【剃髪式】 出家・得度(とくど)して僧・尼になるときに行う剃髪の儀式。 とのことですが、「得度式」とはまた別なのだろうか。得度式については、師僧に三拝、父母に三拝、剃髪偈を唱え、みたいな多少の流れは本を読んだりして、わからなくもないのですが、「剃髪式」って何を一体やるんだろう? ただ頭髪を剃り落とすだけでは、単なる剃髪で、セレモニーではないし・・・。何か作法じみたものでもあるのだろうか? 参列者が出家者の髪に順番にハサミをいれていくとか。うーん、それじゃ力士の断髪式だ。実態は茫漠としてわかりません。とりあえず参列したいものです。 (2006年12月17日掲載) 文章作法 ある方から感想をいただいた。 「文章を書くうえで気を使っている点はあるか? 教えて欲しい」というご質問を受けた。お返事したかったが、サービス機能の問題で返信は不可能で(やっぱりちゃんとメールを設けた方がいいのかな〜)、失礼だとは思ったが、こうして、よしなしごとでお返事させていただくことにした。 文章を書くうえで気を使っていること。 う〜ん。 言葉の重複でしょうか。 例えば、「〜と言った」のすぐ後の文章でまた「〜と言った」とカブったりするのは、個人的に嫌です。 それと会話文はあまり多用したくないですね。長台詞とか使うと文章のリズムが阻害されるような気がするし。 あといわゆる「女言葉」はあまり使わないですね〜。「〜だわ」とか「〜よ」ってやつ。生理的に避けてます。これは、主人公が若い女の子だからでしょうか。 ただ最近は今時の女の子に「女言葉」を使わせるの、逆にアリかなあ、と考えてます。 一番厄介なのは断髪シーンです。それまで楽しく書いていても、断髪シーンに差し掛かると、途端にトーンダウンします。できればハショりたいくらいです(そりゃダメだろう)。 いつも同じパターンだとまずいし、でもパターンは限られてるし(自分が気持ちいいと思えるパターンなんて特に限られてるし)、前に書いた作品とカブらないようにカブらないようにしながら、結局カブってしまう、みたいな状態です。 いっくら気合入れて書き込んだって、所詮Yotubeの30秒の動画にはかなわないよな〜、なんてネガティブな気持ちになったりもします(ネガティブすぎ!) 物語全体でいえば、出口が入り口より一段高くなっている終わり方がいいですね。ヒロインには物語のスタート時より、ラストの方が高いステージに立っていて欲しいです。読んでくれる人にも気持ちよく読み終えて欲しいです。ちょっと、おこがましいんですが、単に「髪を切る、切られる」だけのお話にはしたくないなあ、とか思ってます。 ・・・とカッコつけてますが、一番こだわってることは、作品と作品の間のリンクです。迫水作品はほとんど全部(断髪、非断髪問わず)が同一世界に存在しているという松本零二的な世界観に基づいているため、違う作品なのに同じ場面が出てきたり、キャラが作品をまたいで登場したりします。誰もどうでもいいコトなんでしょうけど、そういう、しょーもないコトにすごく拘ってます。 (2006年11月29日掲載) サイト名について CLIPさんにうちのサイト名を「没後七〇〇年」と間違えられたのには思わず笑ってしまったが、おかげで思い出した! そもそも当サイトは開設当初、「何もないコトが多すぎる」という名前だった。フォークの神様(よく知らんけど)ボブ・ディランの曲タイトルからの引用であった。 他に有力候補として、漫画「美味しんぼ」に登場した頑固なラーメン屋の店名(?)から「タンメンしかありません」というのがあった。 いずれも作品レパートリーの少なさ(尼さんばかり)を、別にいいじゃん、と開き直ったサイト名だった。 並行して自分の筆名を決めねばならず、よくエロ漫画家が使うような、くっだらないペンネームがいいと思った自分は「美空ビバリーヒルズ高校白書」なる名前をずっと推していたのだが、管理人うめろう氏の頑強な反対にあい、泣く泣く断念。「美空〜」を却下されたため、新しく「迫水野亜」と「懲役七〇〇年」のふたつの候補を用意するハメになった。 「迫水野亜」は聖書の大洪水伝説から、「懲役七〇〇年」は漫画「北斗の拳」(や「TRIGUN」)で悪党に下された判決からとった。 まったく正反対のベクトルの両候補から、うめろう氏が選んだのは「迫水野亜」の方だった。なんだか、やおい作家っぽくて躊躇したが、とりあえずそれで行くことにした。 落選した「懲役七〇〇年」の方も捨てるには惜しく、「何もないコトが多すぎる」という長ったらしいサイト名に懐疑的だった、うめろう氏と相談し、あっさりとサイト名は変更。現在に至っている。 若手時代のダウンタウンが飛行機好きの横山やすしに追従して、コンビ名を「ライト兄弟」にしていたことは有名な話で、本人たちもたまに自虐的にこのコンビ名を振り返っている。 自分も下手をしたら、「何もないコトが多すぎる」というサイトで「美空ビバリーヒルズ高校白書」というペンネームで作品を発表していたのかと想像すると、あまりの胡散臭さに目眩がする。うめろう氏の判断をほとんど信用していない迫水だが、この件に関しては、密かに彼に感謝している。 (2006年11月23日掲載) リスペクト 誘われるがまま、ついついHPをはじめてしまった。当然、目的など皆無に等しかった。 ただスタートして間もない頃、管理人うめろう氏と食事していて、 「唯一目標があるとすれば」 と語ったことがある。 「断髪小説の世界にCLIPという人がいる。その人に認めてもらうことだな」 と。 CLIP女史の才気あふれる情景描写や趣向をこらした作品の質と量、そしてそのキャリアは自分にとって、ひたすら眩しかった。素の文章からうかがえる女史の明朗闊達な人柄、芯の強さにも強く惹かれていた。 「迫水、 人 妻 好 き だからな」 とうめろう氏は指摘したが、断じてそれは違う。けれど、正直「才女」という存在には憧憬の念を抱いてしまう。 だからご当人に励ましのお言葉をいただいたときは喜びよりも、「ちょっと、ちょっと、嘘でしょ?! いいんすか? ホントにいいんすか? て言うかあっさり目標クリアーされちゃったヨ! 自分、この先何を目標にすればいいの?」という狼狽の方が先にたった。 勿論、新しいクラスでいきなりクラスの美少女に話しかけられた転入生のような恍惚をおぼえたのは言うまでもない。 掲示板ではクールを装ったが、後で改めてメールで感謝と尊敬の念をお伝えした。温かい御返事をいただいた。 先日、そのCLIPさんが今回、久しぶりの新作を発表なさった。 早速拝読させていただいた。 ガクゼンとした。 さ、先を越されたΣ( ̄□ ̄;) 実はいずれ発表する予定でプロットを書いていた作品と、思いきり手法がかぶってしまったのである(選択式のやつ)。 しかも自分が書いていたものよりクオリティーが高いから、泣けてしまう。才能の差を思い知らされた。 敵わない。 やはり自分はあの人の背中を追いかけているのだなあ、と溜息が出る。 プロットを白紙に戻すかどうかは、目下、検討中である。 非常に見苦しいのを承知で言わせてもらえれば、今後、もしその作品が陽の目を見ることがあったとして、けしてパクリじゃないんですっ! 本当なんですっ! 信じて下さいっ! ・・・創作の世界は結構厳しい・・・。 (2006年11月12日掲載) 半年目 早いもので、このHPももう半年を迎える。 よしなしごとの最初の記事でも書いているが、開設当初は、もし半年経っても来訪者が全然なかったり、何かトラブったりしたら、さっさとHPを閉鎖してしまおうと決めていた。うめろう氏にも「とりあえず半年ね」ということは言っておいた。逃げる気まんまんのスタートだった。 「ワンパターン」「長い」「マニアック」「サービス不足」その他、読み手を選んでしまうワガママな小説群が果たして受け容れてもらえるだろうか、と自信はまったくなかった。 それが蓋をあけてみれば、たくさんの方々がこのページを覗いてくださっている。 拍手や温かいメッセージをくださる人もいる。 見上げるように思っていた同好の先達の方たちにも御声をかけていただいた。 気がつけば3万Hit。 本当にありがたい。 とりあえずは、もうちょっとやらせていただこうかな、と思ってます。 (2006年10月28日掲載) 有髪の尼 尼僧剃髪小説を書いているので、世間に多くいらっしゃる「有髪の尼僧」否定論者かと思われてるかも知れませんが、別にそれはそれでアリだと思います。 例えば校則や運動部などの丸刈り強制とか、自分、苦手です。「表現の自由」なんてことは言いませんが、不合理なルールはちょっと・・・です。 だから、多くの宗派で剃髪が個人の意思に任せられている現状は、むしろ間口が広がって良いことなんじゃないでしょうか。 尼さんだって女性だし、中には兼業で社会人やってる方もいらっしゃるだろうし、何も無理に剃髪する必要はないと思います。 「せめて得度する時ぐらい剃れや、コラア!」 とか全然思ってません。 「っつーか頭剃る覚悟がねーなら最初っから尼さんなんかになるな!」 なんて全然思ってません。 「お前ら『プロ』やろ! プロならプロらしくキッチリ剃髪せいっ! 有り難味がないんじゃああ!!」 なんて全然思ってません。 本当です。 (2006年10月22日掲載) 原風景 「篠塚優子のレディーらしからぬヘアーカット」は、実は自分の幼少期の体験を基にしている。 私の母親は若い頃、美容師をしていて、結婚して店を辞めてからも、よく頼まれて近所の子の散髪をしてやっていた。 小学生三年生だったある夜、幼馴染のAちゃんがお母さんに連れられて、ウチに髪を切りにきた。Aちゃんはかなり重たそうな黒髪ロングヘアーだった。 ウチは貸家で狭かったため、玄関で髪を切られるハメになったAちゃんは髪を切ることに納得がいかなかったらしく、ブツブツ不平を言って、彼女のお母さんにたしなめられていた。 私は当時すでに断髪フェチだったので、トイレにいくふりをして、玄関を何度か往復して、断髪風景をチラ見した。 母のセンスは古く、Aちゃんはヘルメットみたいなオカッパ頭にされてしまった。Aちゃんは完成したヘアースタイルを鏡で見て、 「こんな切ったの〜?!」 と、のけぞって、 「そのくらいでいいのよ」 と母親に叱られていた。 Aちゃんはそのオカッパ頭がよっぽど不満だったのか、一週間もしないうちに、何処で切ったのかはわからないが、さらに短くショートカットになっていた。 彼女はその後、短髪に開眼したのか、成人するまで、ショートヘアーを通していた。 母の技術は今でも需要があるらしく、数年前も中学に進学する知人の娘さんの断髪を頼まれていた。その娘さんの髪型がどんなふうになったのかは、残念ながらわからない。 (2006年09月20日掲載) 任侠? 以前、よしなしごとに書いた「出家する寺娘萌え(燃え)」話の続きです。 寺を継ぐ寺娘と任侠道の世界が、自分にはダブって見える。 「俺がやらなきゃ誰がやる」「由緒ある組を俺の代で潰すわけにはいかねえ」「こうなっちゃ、もうカタギにゃ戻れねえ」みたいな仁侠映画の台詞って、なんだか、そっくり出家寺娘に当てはまりそうな気がする。 女の人の坊主って刺青とか指つめ並みの根性がいりそうだし。 高倉健的精神を、この21世紀に継承しているのは、実は彼女たちなのかも知れない。 (2006年09月20日掲載) マイノリティー 断髪フェチの中には、「坊主はちょっと・・・」という方もいる。坊主好きの中でも「尼さんはちょっと・・・」という方がいる。そんなマニアックの中でもマニアックな尼僧剃髪小説を書いている。 たぶん尼僧の剃髪好きの人は、「厳粛な得度式」「信仰に生きる女の決意」「理由ありの出家」「剃刀でしずしず」といった文学性みたいなものに萌えを感じているのではないだろうか。実際、それが尼さんモノの醍醐味だと思う。(逆に尼さんモノが苦手な人はそうしたヘビー&ウェットな部分がダメなんじゃないかと思う) が、実は自分、あまりそうした部分には関心がない。むしろ高尚な雰囲気は苦手である。 だったら、何も尼さんにコダワルことはないのではないか、と仰る向きもあるでしょうが、その話はまた別の機会に。 尼さん剃髪スキーなのに、得度式、信仰、理由あり、剃刀、を回避している自分って相当、変り種だなあ、と我ながら思います。 まるで私服のメイドさんに萌えているような居心地の悪さがあります。 まあ、いつか本格的な得度式に挑戦してみたい気もするのですが。 (2006年09月10日掲載) 需要 新作「ろるべと」の発表直前、朗報が飛び込んできた。 「ろるべと」の前作「夜会の果てに」をオンライン小説のポータルサイトに登録したところ、一日で二百人を超える方々がこの小説を読んでくださったという。 同じポータルサイトには「カラフトマス」や「フェルチェ」も登録している。いずれも訪れる方は三日に一人くらいで、正直、レアな尼さん物の「夜会」はその二作品より読まれないだろう、と諦めていたので、この数字には驚いた。 「尼さんが合コン」「ガールズ版ファンシィダンス」というポータルサイト上の作品紹介をみて、「夜会」をクリックしてくれた人が、読者ウケを狙いまくっていた「フェルチェ」の六百倍はいたのである。繰り返すが本当に驚いた。「カタギ衆」が尼さん小説を読みたがるとは想像もつかなかった。 世間は自分が思うより尼さん物に寛容なようです。どころか、実は「面白そうなら、ちょっと読んでみたい」と思っているらしい。 この何でもアリの御時世、生き馬の目を抜く創作世界で、「坊主頭の尼さん」という禁忌が破られる日も遠い未来ではないのではないか。 エロでもなく、オカルトでもなく、御涙頂戴でもなく、尼さんをフツーの女の子として描いた青春ポップコメディが、近いうちに出現する予感がビンビンします。実写か二次元かはわかりませんが。 プロの方には、やったもん勝ちですよ〜、と声を大にして言いたいです。 やってくれないかな〜。「阿弥陀様がみてる」とか「101回目の得度式」とか「いま、尼になります」とか。 ちなみにweb拍手数、ほとんど変化ありません・・・_| ̄|○ 呆れられてるようです(― ―;) (2006年08月26日掲載) 一万Hit この一ヶ月、あれよあれよという間に、カウンターがまわり、先日ついに一万Hitとなった。 これも皆様のお陰です。 改めてありがとうございます。 今までもっとも他人様に読まれた自分の小説は、某アニメの二次創作で、これはコピー誌にして百円で販売し、イベントで四十冊ほど売れた。 他は10〜20人規模の小さなサークルに籍をおいて、内輪でオリジナル小説(ギャグやファンタジー)を発表してきたのが、私の創作活動の全てである。 まさか人生において、延べ一万という人々に自分の書いた小説を読んでもらえる僥倖を得るとは、ついこの間まで想像だにできなかった。 正直、実感がわかない。呆然とする思いである。「え? え?」という感じ。自分の人生のピークかも知れない・・・。 辛気臭い話だが、自分の書きたいことをシコシコ書き続けるしかない。読んでくださる方がいれば、素直に感謝し、誰も読んでくれなくても、書きたい物があれば地道にやっていこう。 すぐ調子に乗り、すぐ落ち込み、すぐ萎縮して、すぐ他人に媚びる自分の弱さとの戦いみたいなトコがあります。 (2006年08月03日掲載) 出家=就職? 最新作「夜会の果てに」での鈴宮ハルカの台詞に「こっちの就職は女でも丸ボーズだっつーの!」というのがある。 ずっと無自覚だったのだが、これまでの「尼バリ小説」のヒロインたちの八人中、社会人経験があるのは「女弁慶」の榊容海と「理想と現実」の柴田淳子の二名のみで、他は全員、学生かニートである。その榊容海にしても、尼さんになる前はリストラされて無職の状態で、そう考えると、尼になるヒロインたちの非社会人率の高さは異常である。 私が書いているのは、どうやら「就職物語」の変種であるようだ。 尼さんを「稼業」として捉え、出家を「就職」の一種として描いている。むしろ尼さん物についてまわる「聖職者」「世捨て人」というイメージの逆をいっているように思う。 この「就職物語」の文脈で、これまで書いてきたものを読み返すと(読むの恥ずかしいんですケド・・・)、目的もなくブラブラしていた女の子たちが、突如、降って沸いた出家(修行)という名の「就職」をするハメになり、成長して、一人前になるというセオリーが確かに存在する。 だからナニ?と言われると非常に困るんですが、気づいてしまったからには、今後、無意識だったこのセオリーに対し、意図的にならざるを得ないわけで、このセオリーを積極的に磨き上げるか、ブチ壊す方向でいくか、考えないといかんなあ、と思ってます。 ホント、自己分析ってのは、作業をやりにくくするな〜。 (2006年07月31日掲載) すごいよ世襲制 断髪小説において「実家の寺を継ぐため剃髪」というシチュエーションはほとんど見かけないような気がする。 禁じ手なのだろうか。 たしかに、断髪小説の書き手にとって、これほど怠惰な剃髪の動機はない。 「女」+I=「スキンヘッド女」の公式のxに 「実家の寺を継ぐ」を挿入すれば、たいていの女を坊主頭にできるからである。 恐るべし世襲制の世界! 美人スチュワーデスが剃髪! 何故なら実家の寺を継ぐため。 人気アイドルが剃髪! 何故なら実家の寺を継ぐため。 隣家のエロい人妻が剃髪! 何故なら実家の寺を継ぐため。 声優の広○涼が剃髪! 何故なら実家の寺を継ぐため。(本当に実家が寺らしい) 個人的には、最も説得力かつリアリティのある剃髪理由であるように思われる。 かと言って、 元モー娘のゴトウマキが剃髪! 何故なら実家の寺を継ぐため、 というのはNG。 ゴトウマキの実家は居酒屋らしいので(この短文のために、わざわざ調べた)。 (2006年07月25日掲載) うめろう氏のこと 「懲役七〇〇年」管理人うめろう。 ネット草創期から今までいくつものサイトをたちあげてきた(そして潰してきた)人物である。 男性的で決断力に富み、リーダーの器がある。超がつくほどの楽観主義者。失敗を恐れない。嘘をつかない。あらゆる面で、私、迫水とは正反対の男だ。ピンチになっても、けして私を置き去りにして逃げたりはしないと思う。 しかし、いかんせん「ミスター見切り発車」。やることが杜撰。 例えば彼と組んで銀行強盗をしたとする。 警官隊と銃撃戦になっても、きっと彼なら「任せとけ!」と雄雄しくピストルを抜いて応戦してくれるに違いない。 でもたぶん、 ピストルに弾こめ忘れてる。 そんな人だ。 だから彼に 「一緒にHPをやろう」 と誘われたとき、「大丈夫だろうか?」と不安だった。 数日熟慮の末、OKした。 うめろう氏のスゴイところは、文章については全てを私に一任し、一切口出しをしなかったことである。 これは未だにそうで、私がうめろう氏に原稿を渡し、彼は黙々とアップロード作業をするという分業制が「懲役七〇〇年」においては確立している。 もっとスゴイのは、うめろう氏はあれほど熱心に私を勧誘しておきながら、それまで私の文章を一度も読んだことがなかったのである。要は書ければ誰でも良かったのだろう。 現在でも彼はアップロードされた私の文章を、マトモに読んでいないのではないかという疑惑が、私の中に沈殿している。 さらにスゴイのは、うめろう氏はHP開設の話が進行しても、私がどんな小説を書いてるのか、ジャンルすら知らず、訊こうともしなかった点だ。よく言えば器が大きく、悪く言えばおっそろしく粗雑だ。 たまりかねた私が 「本当にいいの? マニアックな内容だよ?」 と切り出すも、 「いいって。そういうやつの方がネットではウケるんだって」 といつものように超楽観的に返され、それでも内容が内容だけに、ことわっておかずにはおれず、 「でも・・・テーマが尼さんとバリカンだよ」 というと、さすがのうめろう氏も一秒間絶句し、 「大丈夫だって」 と口癖の「大丈夫」を繰り返し、 「ダメだったら違うテーマで書けばいいんだし」 と頗る前向きに諦められてしまった。 まぁ、考えてみれば、こういうキャラクターのうめろう氏だからこそ、私はディープな尼バリ小説(最近そう呼ぶことにした)の発表ができるわけで、「自分の書きたい内容を書きたいように書いて、しかもサイトの管理運営はすべて他人にやってもらえる」という恩恵に浴していられるのである。 ネット運営の手腕。作品に対する慣用さ(放任主義)。知り合って二年間というほどほどの距離感。荒らしを恐れない剛健な精神構造。相方の意見を取り入れてくれる器の大きさ。HP初心者の私にとって、これほど理想的なパートナーはちょっといない。 目下心配なのは、うめろう氏がサイト運営に飽きることである。恋人に対する彼の仕打ちを見るにつけ、不安になる。 うめろう氏に一言。 ハシゴ外さないでね。 願わくば今後とも良好な関係でいたいものである。 (2006年07月11日掲載) Mの肖像 たぶん女性の断髪に萌える人は「S」だろうと思う。 女性が女の命を剥奪され、苦悶や羞恥に震えるさまに興奮するのだから当然、嗜虐心が強いはずである。 私もそういったタイプなのだろう、と漠然と自己を認識していた。 しかし、最近、尼ネタ小説を書いていて、剃髪される側に感情移入していることに気づいた。 つまり視点が「M」なのである。 それも「ドM」。 執筆しながら、「ああ、私、剃られてるぅ! 尼さんにさせられちゃう〜」とヒロインになりきって嬉々としている自分を発見し、ガクゼンとした。キモスギル・・・。 どうやら自分は「女性になって無理矢理、尼さんにさせられたい」という、おぞましい願望があるらしい。ホントおぞましい・・・。他人には言えない・・・。 きっと過去のトラウマが影響しているのだろう。言えないんですけど・・・。 「M」視点だと自分はイジメられる立場なので、あまり良心の呵責を感じずにすむ(「良心が・・・」とか言ってる時点で「M」だな・・・)。 ただ実際に女性に生まれても、「切れない女」になるでしょう。 ダラダラ髪伸ばして、ろくすっぽ手入れもしないで、親切なクラスメイトから忠告されるんじゃないかな。 「迫水! ウゼーからそのロン毛、切ってこいよ! 見てて暑苦しいんだよ! ショートにしろ、ショート! 明日までに切ってこなかったらマジでクラス全員でシカト、いや死刑な。美容師には『上戸彩みたいにして下さい』って注文するんだぞ。いいな? いや、待て、せっかくだから断髪式しようか。ハサミならあるからサ。オレが変身させてやるよ。ザクッと切ったるゼ。よし! キマリだ! これでオマエも脱バージンへの階段を一歩のぼるし、オレたちはストレス解消になる。一石二鳥だろ。逃げるなよ? 逃げたらオタ仲間の吉田と公開レズの刑な」 こんなふうに漢らしい説得をされているifワールドを妄想している今日この頃である。 (2006年07月02日掲載) 「或るカラフトマスをめぐる身辺雑記」反省会 この「よしなしごと」では、upした小説についての弁解もしていきたい。 発表した小説について一切弁解しない潔い態度こそ、創作者のあるべき姿なのだろうが、ナルシストで言い訳ばかりしている私は、この場があるのをいいことに、存分に、愚痴、言い訳、自己言及をしたいと考えている。誰にも読んでもらえなさそうだが・・・。 サイトを運営している、うめろう氏にこのHPを小説のポータルサイトに登録したいと提案され、あわてた。 「ちょっと待って。『普通の小説』を書くから、それまで登録はしないで」 と嘆願した。 豪胆なうめろう氏も、さすがに、これまでのワケワカラン小説四本という手札だけで、勝負をかけるのはヤバイと判断したらしく、むしろ私の「転向」を喜んでいる様子で、 「『普通の小説』、頼んだよ」 と、それとなくプレッシャーをかけてくる。言い出した手前、後に退けなくなってしまった。 本来、「堂々と読ませられない小説」が手元にあるので、そいつをコソーリ発表しちゃおうっていうのが、このサイトの趣旨だったが、たちまち行き詰まり、サイトを維持する為、「堂々と読ませられる小説」を書かねばならなくなった。絵に描いたような本末転倒っぷりである。 で、脱稿した『普通の小説』第一弾(第二弾があるのかは確言を避けたい)が、「或るカラフトマスをめぐる身辺雑記」である。 結論を言ってしまうと、 無い袖は振れない である。 大したアイディアもモチベーションもないのに「書け書け」と自分に鞭打っても、ダメなものしかできない。と言うか、もう良いか悪いかすら判断できない最悪の地点にいる・・・。 センテンスの多さは、もはや確信犯である。センテンスが多いと、どうしても文章にしまりがなくなるので、なるべく削ろうとつとめてきたが、どうやら自分は「センテンスフェチ」のようだ。だらだらと文章を積み重ねていくのが、すごく楽しい。 明日、できあがったものを、うめろう氏に渡すが、まるで、虫の入った料理を、素知らぬ顔してウェイターにもたせるコックのようである。後で「虫入ってるじゃねーか、コノヤロー」と客に叱られても、恐縮するより他ない。 (2006年06月07日掲載) ダメ寺娘+バリカン+修行=男前尼さん? 「寺を継いで尼さんになる寺娘」に萌え(燃え)を感じる。 勿論、発心して仏門に入る女性も尊い。 しかし、寺に生まれたという運命を粛々と受け容れ、家族の為、寺の為に、剃りたくもない髪を剃って、行きたくもない修行に赴く、そんな寺娘の生き様に 「漢」 を感じずにはいられない。 きっと寺に生まれたことを呪ったり、他の若い娘のように、もっと遊びたい、普通に就職したい、と思ったりしただろう。 そこをグッと堪えて、尼さんになる。 自分の人生から逃げずにきっちり「ケジメ」をつける。 男前だ! 中には、ギリギリまで覚悟の決まらない人もいるに違いない。当然だ。 そんなか弱き女性(にょしょうと読む)が崖っぷちで 「漢気」 に覚醒し、ドン底から這い上がっていく姿を描いていきたいなあ、と思ってます。 (2006年05月18日掲載) ショウセツについて ここで紹介する小説は、一体どういうジャンルに属するんだろう? もはや、自分でもわかりません。 当初は「尼さん断髪小説」のつもりだったのが、書きたいように書いた結果、 「会話シーンがほとんどのAV」 になっちまいました。 「萌えない」「読みにくい」「長い」の三重苦、背負ってます。 どうか寛大な心で受け止めてください。 Yさん、ごめんね。 「プロ目指す」、とか言ってて、こんなことやってます。 (2006年5月10日掲載) HP開設と同時にタオルを投げる弱腰作者の記 どこにも発表するアテのないショウセツを抱えてウロウロしてたら、うめろう氏に勧誘された。(この間の詳しい経緯については、また別に語りたい) テーマは「尼さんとバリカン」(とりあえず)。 ナンジャソレ???(ホント、ナニ?) 以前から書いてみたかったのです(だからって、公開することはないだろう)。 一種のみの連続興行であります(ワンパターン)。 自分勝手な内容と下手くそな文章です(言い訳全開)。 地道にやっていきます(目立たぬように)。 とりあえず、実験的に半年くらい(逃げる準備万端)。 運営、管理等は、うめろう氏に任せて(責任回避)、のんびりと、好きなこと、書いていきますわ(居直り)。 (2006年05月10日掲載) 管理人記 このページはエッセイを載せていこうというページだ。「よしなしごと」と書かれて、なんのことかわからなかった方もいると思うが、今後、当サイト小説作者によるエッセイを載せていく予定だ。しかし、この第一回目は、私、サイト製作・管理人のうめろうが書かせていただくことに相成った。「始めるのが苦手」という彼に代わって、私がこのエッセイの始めを担当する。 よしなしごと、というこのエッセイ集のタイトルも当サイト小説作者の彼が決めた。古語らしい。これじゃ何のことか見てる人が分からないから、タイトルの下にエッセイ集だという説明が必要ではないか?という私の意見も一蹴され、トップページはシンプルな方が良いという彼の意見を採用することとなっている。他の部分、例えば「長い文章。」という小説集ページに飛ぶリンクのタイトルにも、説明が必要ではないかという私の意見は採用されず、見れば普通にクリックするでしょ、という彼の意見に従い説明書きはない。 お気付きの通り、このサイトはサイト製作・管理人と、小説作者が違う。大抵のオンライン小説サイトでは小説作者がサイトも作っているという形だが、ホームページが作れないという彼と、コンテンツが作れないという私のお互いの事情が一致し、こういった形になった。 サイト製作に関し、色々なことを心配し慎重になっている彼と、心配なことはとりあえずおいて置いてとにかくやってみようという私である。彼は色々なこと心配する。特に荒らしに関して心配している。掲示板が荒らされたらどうしようかと心配していた。私がそんなのは大丈夫だ、そもそも荒らされるほどの来訪者は来ないから大丈夫だといくら言っても心配している。知り合いに見られて内容から素性がばれたらどうしようとも心配していた。知らせない限りその知り合いがこのサイトを発見する確立は果てしなく低い。心配無用であるが、彼は心配している。もしかしたら、ここで「彼」と使ってしまっていることも彼の心配のタネになるかもしれない。これで男だ分かって素性がばれるきっかけになると言われそうだ。 今、この文章を書いている時点ではまだサイトは公開されていない。彼の作品待ちである。しかし、ストックは何作品があるようだ。最初に掲載しようとしている作品の手直しがまだ終わっていないということだ。明日には終わらせてくれるらしい。 ここまで書いておいてなんだが、エッセイって何?という話しである。文章を書くことを今までやってきた当サイト小説作者の彼なら分かるだろうが、私はこういった方面はシロウトだ。かつて日記サイトをやっていたのでその感じでやってみようみたいな。そんな勢いで適当に書いているが書いているうちに懐かしくなってきた。懐かしくなってきたが、今後、この「よしなしごと」は当サイト小説作者の迫水野亜が書いていくことになるからどうぞよろしく! (2006年05月08日掲載) |