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切らずの市弥、走る、奔る 創作メモ


(付) 創作メモです。興味のある方は読んでみてね。

○ 本作の動機は「現代小説、今はあまり書きたくないなあ」という消極的理由と「ギャルゲー風味の尼僧剃髪小説ってどんな感じなんだろう」という積極的理由が合わさったものです。

○九月上旬、試しにネカフェで「春姫編」を書いてみたら、面白そうだったうえ、なんと、その翌日、修理に出していたパソコンが返ってくるという天佑があり、(でもネット接続ができない状態)トントン拍子に執筆できました。

○仮題は「春夏秋冬シリーズ」でした。

○ タイトルは「切らずの市弥の乱心」とどっちにしようか迷ったけど、結局、現タイトルに落ち着きました。「走る、奔る」には奔走する、や他家に奔る、といった作中の具体的な行動だけでなく、明日をも知れぬ乱世を走り抜ける、という意味をこめました。

○ 正直に言うと、話が世界規模(?)になるとは、書き始めの頃は思ってもいなかったデス。結構行き当たりばったり。我ながら辻褄合わせうまっ!

○ 時期的にクリスマスとからめてみました。あざとい。

○ 時代小説の難しさは・・・色々あるなあ。例えば、言葉。ワープロだと変換できない語が多くて、「いずものかみ」とか。あと服装とか、住宅とか、茶道のこととか、サラッと書き流しているトコもあります(汗)

○ 時代小説では「出家」っていう行為が政治的な問題&行為になったりする。今回はそういう部分が描けて、良かったなあ、と思ってます。

○ バレバレかも知れませんが、一番好きなヒロインは秋姫です。迫水がはじめて「坊主にするの可哀相」と思ったヒロインです(そして実際しなかった・・・。「泣き喚くジャジャ馬姫の強制剃髪」を期待してた人がいたら、許してね)。

○ 秋姫のキャラを辿っていくと、「火の鳥・異形編」の左近介に行き着きそう。

○ 「秋姫編」、当初は市弥と秋姫の囲碁勝負でしたが、「時代劇はやっぱりアクションでしょう」と原田主馬を登場させました。

○ 「秋姫編」が一番書きたかったし、これだけで一本の物語にした方がいいんじゃないかとも考えましたが、すでに「春姫編」が完成していて、気に入っていた&「ギャルゲー風味の尼僧剃髪小説」というアイディアも捨て難く、現在の形に。冬姫エンド(笑)にかなり満足しているので、正解だっだと思っています!

○ 逆に一番苦労したキャラは夏姫です。何を考えているのかわからない・・・って言うか、何も考えていない、欲求や生理で動くキャラは難しい。もうちょっと「可愛さ」「憎めなさ」の部分を掘り下げたかったです。

○ 一番書きづらかったのも「夏姫編」です。エピローグを書き終えた後も未完成だった。エロは苦手・・・。

○ 実は冬姫のキャラはずっと固まらなかったのです。

○ 冬姫のキャラのきっかけは九月、現実逃避モードに入っていた迫水がたまたまビデオで観ていた「ストロベリー・パニック」です。

○ 「ストパニ」の夜々ちゃん(聖歌を歌う→切支丹)、花織さん(病弱)、光莉ちゃん(守られ系)の三人のキャラクターがヒントになりました。

○ ちなみに本当にどうでもいいことだが、迫水が「ストパニ」で好きなのは、要様、深雪さん、天音さんです。

○ また、これも輪をかけてどうでもいいことだが、今頃「ストパニ」にハマった迫水がドラマCDを買おうと、この間、CDショップに寄ったら、お目当てのスピカ編のサブタイトルが「お姉さまと身体検査」という非常に敷居の高いものだった。「ぬるいファンは買わなくてもいいんだゼ!」と言わんばかりのスタッフの心意気に、迫水は泣く泣く購入を諦めたのだった。

○ 冬姫は今まで書いたことのないタイプのヒロインでした。読み返してギコちない部分も多々ありますが、結構いいチャレンジになりました。

○ 冬姫が死ぬラストも考えましたが、やっぱりハッピーエンドにしました。

○ 思いつきで幾田殿を悪役にしましたが(最初は登場の予定すらなかった)、これがドンピシャでした。物語に奥行きがでたような気がします。

○ 一番悩んだのは、冬姫の断髪です。尼にさせるのは可哀想だし、それだと悪役サイドの思う壺でどうにも後味が悪い。切支丹だし・・・。設定が首をしめる形に。市弥の夢の中で剃髪される、という苦肉の策もあったんですが、結果的にハッピーな断髪になって良かったです。

○ それとキリスト教のことがよくわからなくて・・・。特に戦国時代のクリスチャンのこと。ツッコミどころ満載でしょうか?

○ 秋姫編から「剃髪<物語」になり、自分でも焦ったんですが、一応、テーマには「尼になる」だったんで、まあ断髪小説だろう、と開き直りました。「どういう展開になるんだろう(ワクワク)」と読みすすめる人と、「剃髪はまだか(イライラ)」と読みすすめる人、どっちが多いんだろう・・・。

○ 管理人のうめろうさんに「すごい戦国長編ロマンなんだよ〜」って話したら、「読む人はそういうの求めてないだろう」と言われました。うめろうさん、もう、わかってるよ〜(笑)

・・・と、以上の文章を書いたのが二年以上前(汗)第一話を発表したときは、こうして後書きまで書けてたのに。。。  何度も繰り返して恐縮ですが、当時はまさかこんな延び延びになるとは考えてもいませんでした。  自分としては、いいチャレンジになりました。意外に反響もあり嬉しかったです。よくよく考えたら、これだけの分量の小説をちゃんと完結までもっていけたこと、今までの創作活動を通して初めてかも。  第一話のあとがきにも書きましたが、「習作」と思ってます。次に長いの書くときは、もっとバッサバッサいきたいと思う所存で御座います。  お付き合い下さった皆様、ありがとうございました♪♪



(了)



   





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