アオイアタマ〜懲役七〇〇年のますます怪しい誕生秘話 |
この物語はフィクションである。 200X年、ネットの普及により、一般人の自己表現が全世界規模で発信できるようになった。新時代の到来である。 「CLAPさんの新作、相変わらずきめ細かい描写だなぁ」 とパソコンのモニターを食い入るように見入る僕――セコ水野亜――のちに「懲役七〇〇年」を起ち上げる男――はヘアフェチ(以後HFと略す)小説界屈指のライター・CLAPさんが最近発表した作品を読み耽っていた。 「さすがCLAPさん、素晴らしい!」 もう一人、CLAPさんと並んでHF系小説業界で双璧をなすFRookieさんの名作群を思い浮かべ、徒然なるままに、両者を比較してみる。 FRookieさんの小説は、中学への入学、運動部への入部、自衛隊への入隊、といった人生の節目に髪を切るという一種の通過儀礼的なモチーフが多い。刻一刻と断髪の期限が迫ってきて、揺れる乙女の心情が巧みな筆致で描かれている。それがポイントだ。 一方、CLAPさんの小説は普通の日常を送っていた普通の女性が、ある日、まるでクレバスに陥るように突然に、そう、時には思考する間もないほど突然に、断髪に追い込まれる、或る種レイプ的な展開の作品がしばしば見受けられる。そこに昂奮する。 これは男女の違いなのか? それとも単にクリエイターとしての資質の差異なのだろうか。 うーむ、興味をそそられるテーマだ。 僕の想念は過去に向かう。 小学生のとき、男子にしては長い髪だった僕は、教師や周りのクラスメイトたちから、髪を切れ!と迫害を受けてきた。散々苛められた。 この経験は僕に大きな置き土産を残していった。 断髪フェティシズム。 髪を切る、という行為に対する異常な関心。思春期にさしかかると、それは性的な欲望へと発展した。 テレビで女性アイドルが髪を短くしていれば昂ぶった。 クラスの女子が髪を切って登校してくると萌えた。 古書店で女性が髪を切る描写のある小説や漫画を探してまわった。 僕は自分の異常性癖を恐れ、持て余した。 性癖自体も怖かったし、その性癖が他人に露見するのも恐ろしかった。 自分は異常なのだ、自分は変態なのだ、みんなと違うんだ、と苦悩した。孤独だった。 けれどネットはそんな僕の苦しみを、心の重荷を、軽くしてくれた。 FRookieさんが管理人をなさっている髪切虫電脳支店との遭遇! 自分と同じ嗜好の人々が全国津々浦々にいると初めて知った。 断髪小説 というものにも初めて接した。 すごく嬉しかった。すごく心強かった。救われた気持ちになった。 すぐにCLAPさんの作品にも触れた。あちこちとHF系サイトを渉猟し、断髪小説を読み漁った。たくさんの名作と出会った。 けれど、さまざまなHF系小説に感じ入りつつも、僕の中には贅沢な飢餓感があった。 自分の趣味嗜好に本当の本当にジャストフィットする小説がないのだ。 誰か、誰か、誰か、僕の頭の内にある妄想をノベライズしてくれぇ〜! ピンポーン とチャイムの音が僕の思索を中断させる。 ドアを開けると、 「黛さん!」 黛のどか(まゆずみ・のどか)――のちに十文寺第二十五世住職になる美女――が立っていた。肩まで伸ばした明るいブラウンのゆるふわパーマをなびかせて。今日もメイクばっちり。ギャル系のファッションも、ゴテゴテとしたネイルアートも、派手目のアクセサリーも一分の隙もなくキマっている! 黛さんの時ならぬ急襲に、僕はあわてた。 「どうしたんですか?!」 「終電乗り遅れちゃった・・・グスン・・・今晩、セコ水っちのトコに泊めてくれない?」 つぶらな瞳をウルウルさせる黛さんに、 「まだ朝の九時半じゃないですか!」 とツッコミを入れる。 「冗談だってば、セコ水っち」 と黛さんは笑いながら、ポンポンと猫パンチを繰り出してくる。 「そろそろ“オレンジケーキ”の会報が届いてるかなぁ、と思ってサ」 黛さんに言われて、そう言えば、と思い出し、郵便受けに手を突っ込んでみたら、ドンピシャリ、“オレンジケーキ”からの分厚めの封筒が入っていた。前日に届いていたらしい。昨日は今日が休日なのを幸い、友人たちと深夜までカラオケに興じていたからなあ。すっかり失念していた。 オレンジケーキ。目下、僕が所属している創作系サークルだ。 毎月、会員の小説やマンガ、イラスト、詩、エッセイ、他会員の作品への感想等を募って、それらを収めた会報を発行している。 中学時代からの友人Hが入会していて、彼の誘いもあって、僕も参加させてもらっている。参加してから早四年近くが経つ。 入ってはみたものの、目的がない。意欲もない。才能もない。ないないづくしである。 仕方なく、二か月に一回くらいの割合で、くだらない雑文を発表して、お茶を濁していた。 そんなダメダメ会員の僕だったが、いつしか胸の内、或る野心が沸々とたぎり始めていた。 本格的な小説が書きたい! そう、シリアスあり、ギャグあり、ちょっぴりお色気もあり(笑)、読者を楽しませつつ、自分も楽しむ壮大な長編ファンタジーを書いて発表したい、と考えていた。 ――セコ水さん、すごいです! 感動しました! ――さりげなく現代社会を風刺しているあたりが流石です! ――ナンセンスギャグの人とばかり思っていましたが、小説の才能もあったなんて・・・印象変わりました! という他会員からの(特に女性会員からの)賛辞を想像し、ほくそ笑みつつ、僕は執筆の準備を開始した。 準備期間は二年間にも渡った。 図書館に通い、資料になりそうな本を借り、何十冊も読んだ。参考になれば、と古典新作問わず小説を読んだ。アイディアを書きためた大学ノートは6冊にも及んだ。 「今度は本格的な小説に挑戦するつもりなんですよ」 と黛さんに打ち明けたのはいつだったろう。夜更けのファミレスだった。 黛さんとは或るカラオケサークルで出会った。 すごく綺麗な女性だったが、歌はド下手だった。が、すごく綺麗な女性だった。 こんな美人が僕なんか相手にしてくれるはずもない、と卑屈にあきらめていた。 そうしたら、ひょんなことから、話すようになり、同世代と知り(一学年上)、共通の知人がいることもわかって、以降、急速に親しくなっていった。サークル外でも会うようになった。 しかし、衝撃の事実! 黛さん、彼氏がいたのだ! ガーン! なので、「友人」として、節度をわきまえつつ、交際している。 そんな僕のナイーブハートなど斟酌せず、黛さんは僕のアパートまで訪ねてくるようになった。ああ、吹き飛ばないでくれ、僕の理性〜! 黛さんは僕の「創作活動」に関心をもっていて、色々と励ましてくれた。“オレンジケーキ”から会報が届くたび、うちに来て、僕の雑文を熱心に読んでくれた。 彼女の 「面白いじゃん」 という一言に僕はどれだけ勇気づけられたことか! だから、長編小説に挑むにあたり、黛さんに真っ先に話した。途中経過(執筆準備の)や浮かんだアイディアを逐一彼女に報告したものだ。 黛さんは僕の「処女作」執筆の進行具合を興深げに聞いてくれた。やはり励ましてくれた。毎回、 「楽しみだなぁ」 と言ってくれていた。 「ついに小説の第一話、決定稿が完成しました」 と吉報が告げられたのが、先月のこと。 「いや〜、五回も書き直しましたよ」 と僕は誇らしげに胸を反らす。 「セコ水っち、完全主義者だからねえ」 「構想二年、僕にとっては意義深い処女作になりましたよ」 黛さんは僕の独演会を、はんなり微笑しながら聞いている。 「書いていて、ものすごい手応えを感じました。僕の全身全霊を傾けた渾身の力作です! サークルの連中も僕の才能を認めざるをえないでしょう」 「読ませてよォ〜」 「すみません、もう郵送してしまいました。なにせ、〆切ギリギリまで推敲を重ねていたもので。まあ、来月の会報を楽しみにしていて下さい」 僕は自信満々に言い切った。 この会話を黛さんはしっかり憶えていて、 「セコ水っちの小説デビューに立ち会わせてもらうよん」 と僕の部屋に朝駆けしたのだった。 「ちょ、ちょっと待って下さい。僕はこれからコンビニに買い物に行くところだったので・・・」 「だったら行ってらっしゃい。アタシ、部屋で会報読みながら待ってるよ」 「い、いや、一緒に行きましょう。缶コーヒーでもおごりますから」 「そう?」 黛さんを一人部屋に残して、僕の不在中、面白半分でガサ入れされたらヤバイ。危険なブツ――そう、HF関連のものを見つけられてはマズイ。非常にマズイ。 コンビニ。 「820円です」 女の子店員がタラタラとかったるそうに応対する。近頃、このコンビニに入った新人のバイトだ。見た感じ、まだティーンエージャーだ。土日にレジを担当しているので、おそらくは高校生だろう。鈴ヶ森という。以前ネームプレートで確認した。 相変わらずナメた接客をしやがる。 ムカッ腹が立つ。 しかし、鈴ヶ森さん、と僕は内心、変てこな優越感をみなぎらせる。 アンタは毎晩、僕の脳内でそのクソ忌々しい茶髪を刈りまくられているんだぜ。 或るときは、学校でのカンニングがバレてキ印の教師に「お仕置きカット」に―― 或るときはスキンヘッドフェチの彼氏(オラオラ系)に命じられて、泣く泣く床屋でバッサリ―― 昨晩は野球部で唯一の女子部員として、大会前、「女子だからって特別扱いしないぞ」と他の男子部員に取り押さえられ、部室のバリカン(手動式)でトラ刈りの坊主頭に――やめてぇ〜、やめてぇ〜!と恐怖に顔を歪め、抵抗する野球少女・鈴ヶ森だが、男子に数人がかりでねじ伏せられてはひとたまりもなく―― 「雰囲気美人」のバッサリはたまらない。抜ける! 鈴ヶ森さん、アンタ、このことを知ったらどんな気分になるかな、フフフ。 ムッツリ顔でレジをうつ「雰囲気美人」に流し目を送ってやった。 こうして己がプライドを保たんとしている自分が情けなくもある。 「セコ水っち、すごい、すごいよ!」 黛さんは僕の小説を手放しで絶賛してくれた。 「メッチャ面白いよ! セコ水っち、絶対プロになれるよ! プロ目指しなよ!」 「褒めすぎですよ、黛さん」 などという謙遜も得意の洪水に、他愛なく押し流される。 「次回から本格的に異世界での剣と魔法のドラマが始まります。ライフワークにしたいくらいの壮大な物語になりそうです。なにしろ構想二年ですからね、ハハハハ」 「登場人物のキャラも立ってるし、ギャグの切れもいいし、テンポも良くて、読んでいて引き込まれるよ」 黛さんは僕との付き合いで、いつしか一端の批評家に成長している。 「次回が楽しみだよ」 「いや〜、照れちゃいますね〜。でも僕のこの作品は確実に“オレンジケーキ”の新しい潮流となるでしょう」 すっかり気が大きくなっている僕に、 「うんうん」 黛さんは笑顔で応え、パラパラと他の会員の作品を拾い読みしている。 僕の舌は止まらない。 「まさか自分に文才があるとは思ってもみませんでしたよ。しかし、案外書こうとしたら書けるもんですね〜。やはり人間、チャレンジ精神は大切です。この第一話は僕にとっても、“オレンジケーキ”にとっても大きな一歩になるでしょう」 「セコ水っち」 「なんです?」 「“オレンジケーキ”、今月号で解散するらしいよ」 「え?」 黛さんが開いているページ――「会員の皆さんへの重大なお知らせ」とある――を読む。 サークルの主催者(主婦)がオメデタだという。 今後は出産、育児があり、運営や編集と両立するのは難しいので、「まことに勝手ながら“オレンジケーキ”は今号をもっておしまいにさせて頂きます」とのことだった。 嘘おおおおおおおおおお!!! 僕の小説志望は第一歩にして、ズッコケにズッコケた。 嗚呼、僕の構想二年のファンタジー大河巨編・・・。もはや発表する場もなければ、読者もいない。 僕は真っ白に燃え尽きた。 黛さんはあれから、気の毒そうに、 「また新しいサークル探して、そこで発表し直せばいいじゃん」 と助言してくれた。 が、僕を“オレンジケーキ”に勧誘した友Hの、 「まあ、創作サークルっていうのは基本そういうもんだよ。二三年続けば御の字、“オレンジケーキ”なんて長く続いた部類だよ。入会するときから、あっさり潰れるもの、と割り切った方がいいね」 という言葉に再起の意思も萎えた。 別のサークルで仕切りなおしても、いつサークルが消滅するか、と気を揉みながら、連載の筆をすすめる状況は勘弁して欲しい。 黛さんは、 「この○○文学賞に応募してみたら?」 とか、 「この出版社、自費出版も手がけてるらしいよ」 とか、雑誌や新聞のコピーや切り抜きを持参してくれる。観音様のような女性だ。 けれど、ファンタジー巨編に対する僕の情熱はかなり冷めていた。 そのくせ、創作の面白さを知ってしまって、執筆意欲は衰えず、何か書きたいという思いが絶えず頭の片隅にあった。 ゴチャゴチャする頭を切り替えようと、久方ぶりにカラオケサークルに行く。 すると、 「よォ、セコ水、久しぶりだな」 と声をかけてくる者がいる。 「梅朗さん」 カラオケサークルのメンバー、梅田梅朗――のちに「懲役七〇〇年」の管理人となる男――だった。 剛健で豪快で強情で傲岸。長いこと、ヒキコモリだったが、「神の啓示」とやらで、社会復帰を果たし、このサークルに入会したという。 会員になった頃は、ヒキコモリを脱したばかりで、やたら躁状態で(今は多少は落ち着いたが)、しきりに、「飲み会やろう」「バーベキューやろう」と他のサークルメンバーを誘ってまわり、自ら音頭をとってのサークル外活動に熱心だった。お陰で、それまで淡々としていたサークルだったのが、だいぶ変容してしまった。 僕はこの梅朗氏に対し、一年半に渡り心を閉ざし続けている。 梅朗氏があんまりしつこく誘うので、飲み会に顔を出したら、酔った梅朗氏にからまれまくった。以後、この人とは距離を置いている。 そんな僕の心梅朗知らず。梅朗氏は「お茶でもしようぜ」「釣りに行こうぜ」とさかんに声をかけてくる。 とりあえず飲み会に行く。バーベキューパーティーにも行く。全ては黛さん目当てだ。 カラオケ。 梅朗氏は空気も読まずマイナーな女性アイドル歌謡を唄い、黛さんの歌はド下手。通常運転だ。 この日もカラオケ後、れいに寄って梅朗氏主催の飲み会があったが、皆都合がつかず、結局、僕と梅朗氏と黛さんの三人だけの飲みになった。 黛さんはこの日、沈みがちで、酒席でも言葉少なだった。 「ちょっとトイレ行ってくるわ」 と梅朗氏が席を外したのを幸い、思いつめたような顔をしている黛さんに、 「黛さん、元気ないですね」 と声をかけた。 「何かあったんですか?」 「う〜ん」 黛さんは話そうか話すまいか迷っている様子だったが、重い口を開き、 「アタシ、尼さんになるかも。てゆーか、尼さんになるの」 「え? 尼さん? え? え?」 僕は黛さんの言葉を持て余した。黛さんが尼さんに??? 「アタシん家、お寺でしょ」 「ああ、そうでしたね」 黛さんの実家は結構大きなお寺だ。以前聞いたことがある。黛さんは実家の話題を避けているふうがあったので、興味はあったが、詳しい話は訊かなかった。 「男の兄弟がいなくてね、だからアタシがお父さんの跡を継いでお坊さんになることに決まったのよ」 「ええっっ!!」 お寺の娘が尼になって寺の跡を取る。そういうケースもあると、初めて知った。HFとしてはウカツ極まりない話である。 「彼氏さんに婿になってお寺を継いでもらうわけにはいかないんですか?」 「男は頼りにならないね」 と黛さんはサワーが半分残っているグラスを見つめ、さびしそうに笑った。 「イザとなると、婿は嫌だ、坊さんになんてなりたくない、って腰がひけちゃってサ、てんでダメ。まっ、アタシが筋金入りのダメンズウォーカーなせいだけどね」 出家を迫る両親に、“アタシに尼さんになれっていうの!”と黛さんは眉を逆立てて抵抗したらしいが、 「親に泣かれちゃってサ」 なんだかんだで事情が重なり、来月には修行に出るという。 「だから、今日でサークルも卒業なの」 「か、髪の毛は、そ、剃るんですか?」 悲しい哉、それがマニアとしての最重要事項だったりする。 「剃るよ、全剃り。ボーズだよ〜」 黛さんは無念そうに、栗色のフワフワ巻き髪に手をやる。 「そ、そ、そうですか。そ、そ、それは辛いですよね」 顔こそ深刻ぶっているが、下半身はえらいことになっている。 「お待たせ。何の話してたんだ?」 梅朗氏がトイレから戻ってきたので、 「い、いや、ちょ、ちょっと・・・」 とあわてて誤魔化す。 「アタシ、今夜はこれで帰るね」 黛さんは席を立つ。 「あ、送りますよ」 と立ち上がりかける僕の肩を、黛さんは優しく押さえ、 「今夜は一人で帰りたい気分なの。色々考えたいこともあるしね」 と言って、黛さんは去った。 僕と梅朗氏の二人きりになる。 ネットの話題になる。 梅朗氏はヒキコモリ時代から数々のサイトを起ち上げてきたという。 日記系サイトやアイドルのファンサイト、中でもアダルトサイトはネット草創期ということもあり規制もゆるゆるで、あちこちからエロ画像をかき集め、元手なしで月20万円ほどの収益があったそうだ。 「いい商売になったよ」 「そうですか」 僕は上の空で相づちをうつ。梅朗氏のネット活動の話など、どうでもいい。ああ、黛さん! ああ、黛さん! そんな僕の心梅朗知らず。梅朗氏の自慢話は続く。 評論サイトで或る本を褒めたら、その本の作者からお礼のメールが来た、とか、日記系サイトがサブカル系の雑誌で紹介された、とか、梅朗氏、語る語る。 だが、しかし、僕は一刻も早く自宅に帰りたい! ああ、黛さん! ああ、黛さん! 「そういえば、セコ水、君、小説を書いてるんだって?」 不意に梅朗氏に言われ、動揺した。 「なんで知ってるんですか?」 「黛さんから聞いた」 「一応、創作の真似事をしてますけど・・・」 「俺と一緒に小説サイト、開設しないか?」 梅朗氏の思いもかけぬ誘いに、仰天した。 勿論、 「無理です」 と即座に断った。 が、 「いいじゃん、いいじゃん、やろうぜ、小説サイト! 俺は一度、創作系サイトをやってみたかったんだよ!」 梅朗氏はハイテンションで、 「俺は小説も絵も書(描)けない。でも、サイトを製作する技術はある。しかし、いかんせんコンテンツがない。だから、ずっと書(描)ける人材を探してたんだ。なア、セコ水、一緒にサイト、やろうぜ」 「遠慮させて頂きます」 僕も頑なに辞退する。 トラブルが怖い。荒らしが怖い。酷評が怖い。某巨大匿名掲示板が怖い。 小さな池でプカプカ浮き沈みしていた鮒が大海に放流されるようなものだ。 しつこい梅朗氏を振り切るように帰路についた。 アパートに戻ると、部屋着に着替えるのももどかしく、黛さんで○×○×しまくった。 あのオシャレで美人の黛さんが間もなく、頭をツルツルに剃って尼さんに――想像しただけで、発狂寸前だ。 黛さんの「不幸」をオカズにしていることに罪悪感を抱きつつも、下半身は疼きに疼く。サイテーだ。 この夜以降、黛さんからの連絡は途絶えがちになり、梅朗氏からのラブコールは頻繁になった。全体、世の中とはうまくいかないもんだ。 それはまったくの偶然だった。 奇跡中の奇跡と呼ぶべきだろう。 その日は休日で、僕は読書の虫が騒ぎ、ブックオフに行こうと思い立った。 市内のブックオフに行くつもりで車に乗ろうとしたら、なんと前輪がパンクしていた。 ブツブツ文句を言いながら、スペアタイヤと取り換えた。 ふと、隣町のブックオフのそばにオートバックスがあるのを思い出した。 ドライブがてら、足をのばして隣町まで遠征するか。やれやれ。 しかし、このタイヤのパンクがなければ・・・そう考えると、人生塞翁が馬というか、何か不思議な巡り合わせを感じずにはいられない。 いざ、隣町へ。 着いた。 ブックオフの駐車場に車を停めた。 「あっ、セコ水っち!」 「ままままま黛さん!」 なんと駐車場のそばの歩道には黛さんがいた。僕を見て手を振っている。 僕は狼狽して、黛さんに駆け寄った。 黛さんはすっかり様変わりしていた。 コッテリとしたメイクを落とし、派手なアクセサリーもゴテゴテのネイルもよして、地味な上着にジーンズ姿だった。黒いキャップをかぶっていた。むしろ、こっちの清純ぽいスタイルの方が僕は好みだったりする。 「こんなところで会うなんて・・・」 「いや、ここ、アタシの地元だし」 そう言われてみればそうだ。黛さん家はこの町にある寺院だ。 「お出かけですか?」 「今、彼氏とちゃんと切れてきた」 と黛さんは微苦笑して言った。 「これから床屋行くの。頭剃らなきゃなんないからね」 彼氏切って、髪も切って、サッパリ修行尼僧だぜぃ、と黛さんは一点の曇りもない笑顔を浮かべる。黛さんは美しい。尼僧への道を決断した黛さんはさらに美しい。 「セコ水っちは本買いに来たの?」 「え、ええ、まあ」 「暇?」 「ま、まあ、休日なんで」 「じゃあさ、お願いがあるんだけど」 「な、なんでしょう?」 「一緒に床屋に付いてきてよ」 「えっ?!」 「一人で行くのは、な〜んか、心細くてね、床屋。家族は“子供じゃないんだから一人で行け”って言うしさぁ。ね、お願い、付き添って。アタシが髪切ってる間、店の中で待っててよ」 「なななななな何ですとォォ!!」 まるで「空から美少女が降ってくる」レベルの僥倖!! 「どうしたの、セコ水っち? やっぱダメ?」 「いいいいいいいいえ、おおおおおおお供させて頂きます、是非、是非!!」 休日なので、床屋はそこそこ混んでいた。無論男の客ばかりだ。 ようやく少しばかり平静を取り戻した僕は、黛さんに色々と質問できる余裕ができた。 「尼さんて床屋で頭を剃るんですか?」 「他の尼さんのことはよく知らないけど、多分そういう人も多いんじゃないのかな」 「“得度式”のときに頭を剃るものとばかり思い込んでいました」 「“得度式”って、セコ水っち、随分専門的な知識あるんだねえ」 「い、いえ、以前、ファンタジー小説を書いていたとき、参考になるかと思って、宗教関連の書籍もあれこれ読んでいたので」 あわてて取り繕う。まさか、HF方面から得た知識とは言えない。 「まあ、ホントは得度式のときに丸めるのがベストなんだろうけどね」 黛さんはユルフワのパーマヘアーをいじりいじり説明する。 得度の際、剃髪しなければならない宗派と剃らなくてもOKな宗派があり、黛さんのお寺は後者の宗派らしい。 得度式も内輪でひっそり済ませたとのこと。 修行の際、剃髪しなければならない宗派と剃らなくてもOKの宗派があり、黛さんのお寺は前者の宗派らしい。 「何年か前までは、尼さんは剃らなくてもよかったらしいんだけどね」 もっと早くに決断しておけば良かった、と黛さんはほろ苦く笑う。 目からウロコ、だった。 尼さんの剃髪といえば、寺院の本堂で、僧侶たちや信徒たちが居並び、皆に見守られながら、読経をBGMにしずしずと執り行われるものというイメージがあったが、「チェーン店の床屋で順番待ち」っていう尼僧ロードもあるみたいだ。 床屋は三人の理髪師でまわしていて、来店した客が名簿に自分の名前を記入して、カットの順を待つシステムになっている。 スダさん、フカミさん、と待合席の客が、一人、また一人、と招かれる。 一秒一秒、黛さんが僧形に変身するときが迫っている。 「マユズミさん」 ついに黛さんの番だ! ・・・と思いきや、 「すいません、すいません」 と若い理髪師は頭を下げて謝り、 「タカイさん」 と呼び直した。どうやら順番を飛ばしかけたらしい。 「おう」 とガテン系のいかついアンチャン(五分刈り)が席を立つ。 このときの黛さんの微妙な表情はいまだに忘れられない。ホッとしたような、落胆したような、脱力したような表情。せっかく腹をくくっていたのに、心が乱れる。こういう生殺し的な状態が一番辛かろう。 「調子狂うな〜」 とやや苛立たしげにボヤいていた。 「マユズミさん」 初老の理髪師が黛さんの名前を呼ぶ。今度こそ断髪式の開幕だ。 黛さんは理髪師に連れられ、カット台に向かう。 僕のアソコも穏やかではいられない。 黛さんはエスコートされるまま、カット椅子に腰をおろす。顔がこわばり気味だ。 緊張して、つい、 「“剃毛”して下さい」 と間違って注文していた。 「剃毛?!」 と理髪師は一瞬、黛さんの股ぐらに目をやっていた。 「い、いや、その・・・て、剃髪です。剃髪して下さい!」 黛さんは大あわてで訂正した。頬がポッと赤く染まっていた。 「ツルツルのスキンヘッドにお願いします」 「全部剃っちゃうんですか?」 理髪師も動揺している。 「ええ」 とうなずく黛さん。 「いいんですか?」 「ええ」 「本当にいいんですか?」 「いいんです。大丈夫です。お願いします」 キッパリ言われ、理髪師は困惑しながらも、黛さんの身体をケープでくるみ、首にネックシャッターを巻き、ユルフワパーマのオシャレ髪――ずっとキャップをかぶっていたので、てっぺんの髪がペッタンコになっていた――を霧吹きで湿していった。 黛さんから預かったキャップの内側にそっと鼻を寄せ、匂いを嗅ぐ。ものすっごくいい香りがした。この香りとも今日でお別れだ。経験者として言わせてもらうと、坊主頭はちょっとでも毛が生えたりすると、臭い。結構臭い。 理髪師は業務用の大きなバリカンを持ち出すと、コンセントを差し込んでいた。 そう、バリカン! 床屋なのだから当たり前なのだが、黛さんとバリカン、尼僧とバリカン、という組み合わせはなんともミスマッチで、だからこそ、そのギャップに激しく萌えを感じる。 ドゥルルルルル というヘビーなモーター音をほとばしらせ、バリカンは黛さんの頭部に迫る。 理髪師は最初に右鬢にバリカンをあてた。 黛さんは苦しげに顔をしかめ、バリカンの刃を受けた。 ジャリ、、、、 僕はまばたきもせず、刈る側も刈られる側もおそらくは初めてであろう、若い女性のバリカン坊主を目に焼き付けんばかりに凝視した。マニアとしては一瞬たりとも見逃せないシーンだ。 ドゥルルルルル バリカンは一気に突き進んだ。 ザザザザァァアア サイドの髪が横一文字に切り裂かれた。 このとき、黛さんは、くふっ、と笑った。おそらくは緊張の糸が切れたのだろう。 彼女に必要なのは、もはや諦めのみ。 また右の鬢にバリカンが差し込まれた。 ドゥルルルルルル ザザザァァァアアア、ザザアァ ユルフワ髪がゴッソリと持っていかれた。 黛さんの右耳が、すっきりと外の世界に出た。 モミアゲも刈られた。 理髪師は右サイドから頭頂部へと、豪快にバリカンを入れていく。 ドゥルルル・・・ザザザザザアアァ・・・ザザアァァ・・・ ドバドバと刈り髪が落ちる。 バリカンは今度は額のど真ん中に狙いを定める。 理髪師にもう躊躇の色はない。前髪からトップまでバリカンを走らせる。 ザザザアアアァァア・・・ひと刈り、ザザザザザァァアアア・・・ふた刈り、ツムジがあっけなく消えた。業務用バリカンのパワーは凄まじい。 バリカン驀進! 頭頂から左の髪を押し流すように刈る! 刈る! 刈る! 黛さんの頭からみるみる髪の毛が消え去っていく。 後ろの髪もジョリバリ刈り込まれる。 ザザザザアアアァァ・・・バサバサバサッ・・・ザザ、ザザアァァァアア―― クルクルのモテ髪からクリクリの坊主頭へ。 黛さんはしたたかにショゲている。 なんの情緒もない。なんの風情もない。ただただ、合理的に、事務的に、散文的に、乙女の命は断たれていく。 散髪待ちの男性客どもは、黛さんの断髪を物珍しげに見物している。ガン見、チラ見、人によってさまざまだ。 黛さんも自分に向けられている多くの視線を感じている様子だったが、気丈にも鏡と――尼僧ヘアーになっていく自己と対峙していた。なんとも、いじらしい。 僕はといえば黛さんの淑女らしからぬヘアーカット場面を前に、理性を保つのに必死だった。 全ての長い髪が黛さんの頭部から消滅した。 切られた髪がケープや床に散っている。 切られた髪=ゴミ、と考えれば黛さんは今、ゴミまみれになっているのだ。しかも、そのゴミは10分前まで黛さんにとってかけがえのない、長年手塩にかけてきた「財産」だったもの。断髪とは見方によっては、滑稽だ。 「ゴミ」はササッと手早く片付けられてしまった。隣のガテン系のタカイさんの汗臭そうな髪と一緒くたにされ、処分されるのだろう。 黛さんは、丸刈りにされた自分を、仏頂面で睨んでいる。 丸刈り頭は蒸され、シェービング剤を塗りたくられ、剃刀で剃られた。 ジジジー、ジジ、ジジー、ジッ、ジッ、ジジジー、ジー、ジー―― バリカンでのカットとはうって変って、丁寧に剃髪は施される。 しかし、数をこなしてなんぼの低料金チェーン店、おそらく通常よりもずっと早いペースで、剃髪は済まされていく。 僕の横に座っていた頑固親爺風のご隠居さんが、理髪師の剃刀使いを眺めつつ、 「ありゃあ、半ちく仕事だな」 と呟いているのが聞こえた。 ジジーッ、ジッ、ジッ、ジッ、ジー、ジー、ジジー、ジジジー、ジー、ジー―― 剃刀が動くにつれ、フルーツのように瑞々しく青光りする頭皮が、目にも鮮やかに浮かびあがる。 剃りあがったツルツル頭を洗面台に向けて垂れ、ジャブジャブと洗い流され、一丁あがりとばかりに、ゴシゴシとタオルで拭きあげられ、剃毛、いや、剃髪は終了。 カット料金を払い終えた黛さんは、 「お待たせ〜」 と僕の許に戻ってくる。色んな意味で眩しい。 「なんかヒリヒリするぅ〜」 と恥じらいつつ、剃ったばかりの頭を撫でて、 「行こ」 「あ、は、はい」 「セコ水っち、なんで内股になってるの?」 「その理由を話すには、僕の幼少期にまで遡らなければならないので、勘弁して下さい」 「何それ」 と笑うスキンヘッドの黛さんは僕のHF的目線からか、有髪の頃より若く美しく、清らかで、それでいて艶めいて見える。嗚呼、黛さん! 嗚呼、黛さん! けれどすぐにキャップをかぶってしまったので、残念ながら僕の陶酔タイムもこれまで。 後で、頭触らせてもらえば良かった〜! 写メ撮らせてもらえば良かった〜! と頭を抱え悔やんだが、このときはとにかく萌えに萌えて、落ち着かねば、と欲情と格闘していたので、そんなことを思いつく心の余裕はなかった。それに―― 「黛さん」 「ん?」 「修行の期間ってどれくらいなんですか?」 「まあ、場合によっちゃ何年もかかりそうだね」 「黛さんと長い間会えなくなるんですね」 「そうだね」 「さみしいです」 「アタシもセコ水っちと会えなくなるの、さみしいよ」 僕と結婚して下さい! 婿になります! 出家します! 二人で一緒にお寺を守っていきましょう! ・・・という言葉が猛然と脳裏に浮かんだ。 が、さすがに浅はかすぎる。だから言わなかった。言えなかった。 フミキリで黛さんと別れた。 お互い、別々の帰り道を、別々の人生を、歩き出す。 ふと、振り返ったら、黛さんもこっちを振り返っていた。 「・・・・・・」 「・・・・・・」 互いに不器用な笑顔で会釈を交わし、また歩き出す。 もう一度振り返る。 黛さんの小さな後姿が見えた。 部屋に帰ると、追いかけるように黛さんからケータイ解約のお知らせメールが届いた。 修行のため、長期間ケータイ禁止になるので、本日をもってケータイは解約します、今後は音信不通になります、という内容だった。 黛さんを汚した。狂ったように汚した。何度も、何度も。 朦朧とした頭の中で豁然と閃くものがあった。 これだ! 梅朗氏宛てにメールをうつ。 『小説サイト開設の件、了承します。 僕は小説に専念させて頂くので、管理運営の方はよろしくお願いします。 小説のテーマは 尼さんとバリカン です!』 送信。 僕の運命が動き出した。 HF系の小説を書こう。 まだ若いジャンルだ。開拓の余地はたくさんある。 今まで自家栽培的に書いてはみたものの、みんな断片ばかり。 しかし、今なら書ける! ただでさえニッチなジャンル。僕はそのさらに隙間、「隙間の隙間」を狙うのだ! 尼さんとバリカン。書く! 書くぞおおおぉ〜!! 夕食もとらず、一気に徹夜で書きあげた。無我夢中だった。 そして、脱稿した小説に、 「女弁慶」 とタイトルをつけた頃には、もう夜が明けていた。 ちなみに、この「女弁慶」、梅朗氏に読ませたら、あの人クスクス笑っていた。これが「一般人」のリアクションなのだろうか。 黛さんからの最後のメールに気づいたのは、「女弁慶」の完成直後だった。執筆に没頭していて、全然知らずにいた。 『セコ水っち、今日は床屋付き合ってくれてありがとね(^∀^) すごく嬉しかったよん(〃∇〃)ちょっぴり恥ずかしかったけどね(笑) セコ水っちも小説頑張って欲しいな。 絶対プロになれるってアタシャ信じてるよd(≧∇≦) アタシが修行下りる頃にはセコ水っち、売れっ子作家になってたりね(*´艸`) まあ、あまりプレッシャーをかけるのはやめておこう(笑) 今までありがとう! またカラオケしようね〜(´∀`) 毎日お経読んで喉鍛えてオンチ克服してやるぜぃ(* ̄∇ ̄)b じゃあ明日から行ってきま〜す(〃ω〃)ゞ』 返信しようとしたが、もう遅かった。 黛さんの最後のメールを何十回も読み返した。目から涙があふれた。 かくして、2006年5月、懲役七〇〇年、誕生。 「懲役七〇〇年? 新しく断髪小説サイトが開設したらしいな」 とパソコンのモニターを見つめる青年、コーキ――のちに「丸刈り少女帯」「丸刈りルーザー」「丸刈りフレンド(仮)」などのサイトを世に問う男――は、「女弁慶」という変わったタイトルの小説に目をとめた。 「ちょっと読んでみるか」 とクリックしてみた。 「こ、これは!」 伝説の胎動である。 あれから月日は流れた。 黛さんや梅朗氏と出会ったカラオケサークルは今はもうない。メンバーだった人たちともすっかり疎遠になってしまっている。 黛さんとはあれっきり会っていない。連絡もとっていない。 サイトは存続している。 お陰様で、遊びに来て下さる方々もいて、小説も時折発表させて頂いている。ありがたい! ありがたい! この間、たくさんの出来事があったが、今回は割愛させてもらおう。 梅朗氏は管理人を引退したが(顧問ではある)、交友関係は今でも続いている。 尤も、梅朗氏はちょっと遠いところに引っ越してしまったため、昔のように頻繁に顔を合わすこともできなくなった。 そうしたら、不思議なことに、この稿を書いていたら、何か月も音沙汰なしだった梅朗氏から「会おう」とメールがきて驚いた。 本日、久しぶりに一緒に飲む。楽しみだ。 居酒屋で駄弁って愚痴って笑って、〆にカラオケに行って、黛さんの面影を胸に、「君の知らない物語」を熱唱しよう。 (了) あとがき この間放映していたドラマ「アオイホ○オ」が最高に面白くて、影響を受け、一種のパスティーシュとして書いてみたのですが、あまり似てないな(汗)もうちょっとマニア的なウンチクや目線などを盛り込みたかったかも。 この話、自伝ぽいですが、九割以上フィクションです! 黛さんも架空の女性です。 でもこの小説を書いている最中に、うめろう氏から久々にメールが来たのは本当です(笑)シンクロニシティを感じまくりました。しかも今作を脱稿した日に会いました。 れいによって、あれこれ書いてるうちに長くなってしまった(汗)まあ、その・・・「断髪小説」ではなく「断髪描写のある小説」と思って頂ければ。。。といつもの言い訳(^^;) さて、今年もそろそろ暮れますね。皆さまにとって、どんな一年でしたか? 自分としては、創作活動の面では、割とマイペースを保てたような気がします。 来年も楽しみつつ、高みを目指して、創作に取り組みたい所存でございます。 遊びに来て下さる皆様には心から、ありがとう、って言いたいです!2015年が皆様にとって素晴らしい一年になりますよう、お祈りしています(*^^*) ・・・と、このあとがきを書いたのも一年以上前(汗) 「はじめてのドライブ」も今作もパソコンにあった原稿データは消滅し、うち萎れていたんですが、捜索の結果、USBメモリーに保存されていたのを見つけ出しました! あ〜、良かった〜(しみじみ) 最後までお読み下さり、本当にありがとうございます(^^) どうか2016年も懲役七〇〇年をよろしくお願いいたします♪♪ |